ふじこ

失われた時間/フォローイング・イヤーのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

…いいですね(ニコッ)となるくらい、なかなか綺麗な作りだったなぁ。
20分で得られる満足感が、ちょいちょい観ちゃう90分のB級映画の比ではないな。

一見のどかな草原の小屋なんだけど、ドローンが飛び変な形のハウス栽培?がある。
そこから謎のハイテク技術棺桶みたいなものに電気ショックを与えて謎の女性が復活。
どうやらクローン技術で亡くなった人物の記憶ごと取り戻せるらしい。すごい。
この田舎の納屋っぽい雰囲気と、ちょいちょい差し込まれるハイテクノロジーのバランスも丁度いい。

目覚めた女性への態度から、おっさんの大切な人だった…と、思わせといて不穏な記憶と共に明らかになる、女はテロリストで政府を狙った爆弾テロに巻き込まれて死んだ妻の復讐のために、何度も何度も女を蘇らせては記憶を思い出した頃に殺すことを繰り返していたっていう、暗い話だった。
最後は死んでいった女たちが残したメッセージを頼りに、次の自分で終わらせるため届いたクローンを蘇生させる時に使う絶縁手袋のチップみたいなものを引っこ抜いて、次の年に届いた女を蘇生させて感電死、何も知らない次の女が目覚めたところで終わる。

…条件が分からないんだけど、奥さんを蘇らせては?と思ったんだけど、いかんのかな。
粉々になったらアウトとか、そんな条件でもあるんだろうか。
何年おっさんがこの暗い復讐をやっていたのか分からないけれど、メッセージを残した過去の女はなかなかやるわね…何代にも渡って残していったんだろうか。
おっさん側の気持ちも分からなくはないのだけれど、こんな事を続けている間中ずっと苦しいだろうし、かと言って記憶も継続しているなら女側への同情もし切れないし、明るい風景といい感じの暗さがあって良かった。

銃を突きつけて"お馴染みの殺害現場"みたいなところへ行った際に、窪んだ穴にかつての女の埋まった死体みたいなのがチラ見えするけど、裸で届くんだから毎度毎度おんなじ服買い与えて着せてたのかなぁ…。
でも死体が埋まってるんだとしたら、やっぱりどうやってクローン作ってるのかわからないし、あれ死体じゃなくて撃って穴空いた服がそれっぽく捨ててあるだけなのかな?

うーん、クローンやらコピーロボットやら、今のわたしから継続した記憶もありますよ!って言われても、じゃあ交代で死んでね って言われたら流石に いやぁ…ってなるし、間違いなくわたしなんだけどわたしじゃないと言うか…自己の連続性って部分が引っ掛かる。
例えばワープ技術で遠くに生成されたわたしならわたしなのかも知れないけど…う~ん、みたいな。
おっさんもそんな事を考えて、奥さんの蘇生はやめたのかなぁ。
ふじこ

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