回想シーンでご飯3杯いける

神が描くは曲線での回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

神が描くは曲線で(2022年製作の映画)
3.6
年末恒例、Netflixによる話題作怒涛のリリース。「ギレルモ・デル・トロのピノッキオ」と同じ日に配信開始となった本作は、「ロスト・ボディ」や「インビジブル・ゲスト 悪魔の証明」で知られるスペインのオリオル・パウロ監督による最新作だ。相変わらず映画マニアの好奇心をくすぐるラインナップだと思う。

私立探偵のアリスは殺人事件の捜査の為に、患者と偽って精神科病院に入院するが、協力者であったはずの院長のひと言により、状況が大きく変わる。正反対の言い分を持つアリスと院長のせめぎ合いは、他の医師や患者を巻き込み怒涛の展開を迎える。

今回は精神病院が舞台という事で、発言の真意を読み取れない登場人物が多数登場。パウロ監督が得意とするどんでん返し系の作品としては、とても上手い舞台設定だと思うが、やはりというべきか「無口な人物が黒幕」という、あるあるに陥っている。

本作の面白さは、むしろ調査委員会で繰り広げられるアリスと施設関係者のスリリングな会話劇にあると思うので、どんでん返しばかりを期待して観ない方が良いと思う。パウロ監督もそろそろ新しいステップに入ったと思われるので、先入観を捨てて今後の活躍を見守りたい。