HAYATO

神が描くは曲線でのHAYATOのレビュー・感想・評価

神が描くは曲線で(2022年製作の映画)
4.3
2024年163本目
Only on Netflix
個人的にとても敬愛しているスペインのサスペンス作家・オリオル・パウロ監督作
パラノイアを患っていることから精神科病院に入院することになった私立探偵。彼女の目的は、ある患者が謎の死を遂げた事件の真相を探り出すことだった。
原作は、トルクアト・ルカ・デ・テナによる同名小説。
主演は『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』のバルバラー・レニー。共演に『私が、生きる肌』のエドゥアルド・フェルナンデスなど。
オリオル・パウロが手掛けた『ロスト・ボディ』、『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』、『嵐の中で』はどれも大好きな作品なので、本作もとても楽しみにしていた。上映時間155分は彼の作品にしては長尺だが、スピーディな展開に引き込まれて、長さを感じさせない期待通りの面白さだった。これだけのクオリティの作品をポンポン生み出すオリオル・パウロはやっぱりすごい。
ネタバレなしに語るのは難しい映画だ。オリオル・パウロのお家芸とも言うべき巧みな伏線回収とミスリードが本作でも遺憾なく発揮されていて、クライマックスに待ち受ける衝撃的などんでん返しがたまらない余韻を残す。
全編に渡って回想シーンが非常に有効的に使われていて、それらが自然に差し込まれるので、時期列がミックスされていることに全く気づかなかった。同じシーンが2回使われているのに、セリフが全く違う聞こえ方がする。何が真実で何が嘘なのか最後の最後までわからない。
主人公・アリスの人物像が揺らぐ様は、同じく精神病院を舞台としている『シャッター・アイランド』を彷彿とさせるものだった。
是非とももう1度見返したい。
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