水泳の飛び込み競技で最後のオリンピック出場をかけたマリエル。
チームメイトの怪我により、自分よりも遥かに年下の選手とペアで出場することになるが…。
スポーツ界における「性加害」をテーマにしたAmazonオリジナル作品。
Amazonオリジナル作品の中ではけっこう印象に残った作品です。
実話を基にした作品とのことですが、検索してもソースがヒットしなかったので別のスポーツだったり、他国の事例だったりするのかな？
仕事であれスポーツであれ、上司と部下・コーチと選手といった上下関係がある以上、大小はあれど権力構造は付き物。
そこに「功績」が絡んでくると、その内実をより霞めてしまう要素を孕んでしまう構図がよく分かる。
「あれは指導の一環」「あの二人は特別な師弟関係だから」など、功績が伴うとその過程のことが免罪符になる可能性も秘めている。
わりと近代的な問題提起だと感じます。
本作も真正面から「こういうのは問題だ！」というよりも、当事者の心理描写から
実際に被害を被っている側が言い出せい周囲の環境や人間関係を描いているので
こういった問題が表面化しづらく、なおかつ「なかったこと」にされてしまう構図がよく分かります。
最後の主人公の選択には悔しさもありつつ、どこか解放感のある結末でした。
