ドナウ

フィルム時代の愛のドナウのネタバレレビュー・内容・結末

フィルム時代の愛(2015年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

あーたまらない。

意味などわからずとも脳死で見ていられるキマった映像が大好き。どことなく韓国映画というより中国や台湾映画のような感じがする。見えない物、聞こえない音を感じさせてくれる映画の魔法、フィルム時代の過去の名作達への憧れ、そして愛。“愛はリンゴじゃないだろう”とでも言いたげな照明係は、自分の信じてきた映画に幻滅して現場の精神病院をあとにする。新たに作られる映画は今も語り継がれ忘れ去られた数々の映画の上に成り立っていて、照明係が送ったであろうVHSやコラージュされたサイレント映画はそのことを伝えたかったのだろうか。リンゴとナイフ、壁と焚書、火と水、現在と過去、中国と朝鮮等の相反する意味あり気なキーワード。タルコフスキーの好む水、過去への憧憬や人の居ないサッカースタジアムは「楽日」、4章で流れる中国の歌は好みで「凱里ブルース」を思い出した。
ドナウ

ドナウ