クリスティアン・ペッツォルト監督とニーナ・ホスの初コラボ、ここからこのコンビがいくつも傑作を出していったと思うと感慨深い。
ヒッチコック愛はここでも感じ(上映後QAでは監督ご本人の口から聞いた)、まるで幻を追うような男、本当の自分を秘めながら別人を演じるような女の組み合わせはやっぱり上手いなと思う。
刑務所から出所した男、その弁護士、謎の美女。
ロマンスを匂わせながらきっちりサスペンス。
今見ると「水を抱く女」っぽいな?と思ったり。
ニーナ・ホスのスマートかつ妖艶な立ち振舞いがライラのキャラクターにピッタリすぎるが、あのHOW TO本はちょっと笑ってしまった。そんなのに頼らなくてもよさそうなキャラクターだけど、あれがキーアイテムでもあるんだな。
目的のために行動する、無駄があるようで全くない彼女の姿にどこかひんやりした空気を感じるが、それぞれのキャラクターと彼女の関係も見えてくると納得。
面白かった。そして悲しいお話だった。