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メイド・イン・USAのmのレビュー・感想・評価

メイド・イン・USA(1967年製作の映画)
3.5
ゴダールにしては分かり易かった。なんて言ったら「本当に理解したのか?」と怒られそうだが、政治的な側面から見たとき、『気狂いピエロ』よりは分かり易く、分かり辛い作品だった。

恋人リシャール・ポ……の死の真相を探る女性、ポーラ・ネルソン(アンナ・カリーナさん)が秘密警察やギャングの抗争に巻き込まれていくストーリー。

ストーリー的なところは今現在でも使われている、秘密裏・政治に屈服される・それに抗うといったところで、ジャン=リュック・ゴダール監督作品にしては置いてかれずについていけた。…まぁ、セリフや描写などはやはり難しいけどね笑
ディズニー+流血=政治映画、とは?笑
難しいけどクセになる可愛さと面白さなのよね笑

なんだけど今作は政治批判があまりにも強くて、ストーリーの根幹にエンタメをあまり感じられなかった。そういう作品もあっていい、というよりあって欲しい。
『気狂いピエロ』も政治的側面があったから、ゴダールの作家性といえると思う。
……フランスの政治、勉強不足による分かり辛さが!

というより『気狂いピエロ』の一年後に作られた作品なのね!結構早いスパンで創作されていたようで驚き。すげぇな。

パブのシーンが大好きであそこは何度も繰り返し観てしまった。あんなやり取りしたい。
リシャール・ポ……の無残で滑稽な死体や可愛らしい偽物です!と言わんばかりの血、鮮やかな色遣い、カメラを意識した俳優たち。ファッションも可愛いし、なによりアンナ・カリーナさんのキュートさよ。
青のアイシャドウに目を惹かれた。

やはりゴダール作品は一筋縄ではいかない。

ストーリー : ★★★☆☆
映像 : ★★★★☆
設定 : ★★★★☆
キャスト: ★★★★☆
メッセージ性 : ★★☆☆☆
感情移入・共感 : ☆☆☆☆☆
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