TakayukiMonji

メイド・イン・USAのTakayukiMonjiのレビュー・感想・評価

メイド・イン・USA(1967年製作の映画)
3.2
ゴダールマラソン。1967年作。
クライムサスペンスの様相なのに、気付いたらゴリゴリの政治映画になってて、ポカーン。
原作はリチャード・スタークのアメリカの犯罪小説とのことだが、あまりにも原作からかけ離れたため、プロデューサーが原作の映画化権をキャンセルしたという。(ただし、それを知らなかったゴダールがスタークの映画化とインタビューで喋ってしまい、裁判沙汰になり、結局北米の放映権を手渡したとのこと。いわくつき。)
元パートナーだったアンナ・カリーナが出演した最後の作品とのことで、そのプライベートの色恋模様を反映させてくるあたりもこれまでのゴダールっぽい。
重要な人物の名前を喋るシーンでひたすら騒音を被せて、ピー音のように聴かせない演出や、無駄に大きい騒音、目を見張るようなカラフルな色調も映像からゴダールの魅力は感じられるものの、ストーリーが完全に破綻してるので、これはもう商業映画との完全な決別。
このあと、「ウィークエンド」や「中国女」が撮られていくわけだが、政治思想表現に完全に傾倒していく序章的な。。
2週間で作られたとのこと。
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