さりさり

よっす、おまたせ、じゃあまたね。のさりさりのレビュー・感想・評価

2.9
引きこもりの青年・ちばしんの元に突然訪れた自称幽霊だという同級生・ながちん。
ながちんはどうしても一緒に行って欲しい所があると、ちばしんを誘う。
半ば強引に連れられたちばしん。
二人の珍道中が始まる…。

期待して観た内容とはちょっと違ったな。
いや、内容は良かった。
忘れかけていた同級生との友情物語、クスッと笑いが込み上げて来る温ったかロードムービーだ。
ただどうしても納得いかなかったのは、安易なキャラ作り。

主人公が “引きこもり” っていう設定だから観たんだけど、どう見ても引きこもりには見えなかった。
それ、ただのゲーム好きな、ちょっと引っ込み思案な青年だろーって感じ。
全然綺麗なイケメンだったし。
髪型も表情も爽やかで、何年も引きこもってた人には見えなかった。
何かに追い詰められ、苦悩している様子も感じられなかった。
リアルさが全然ない。

引きこもってた人って、もっともっと死んだような目をしてるし、あんなに普通に人と目を合わせて話せない。
あんなに爽やかに笑えないし、身なりだってもっとヨレヨレしてる。
“引きこもり” っていうキャラを使えば、感動的になるんじゃないかっていう作り手の安易な考えが見えて、萎えた。
ラストもおそらくそうなるだろうなっていうのが途中で見えたし、意外性もなかった。

ただ、ラストに繋がるタイトルは秀逸。
ストーリー自体も決して嫌いではなかった。
引きこもりっていう設定じゃなかったら、もっと素直に楽しめたと思うし、スコアももう少し高く付けてたな。
さりさり

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