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パーフェクト・ソウルメイトのmidoredのレビュー・感想・評価

2.7
憧れの詩人と親友になるために間違った努力を続ける熱烈ファンのサイコサスペンス。

セレブに執着する頭のおかしい一般人の暴走というよくあるストーリーですが、双方ともに恵まれない環境で育ち、成長後も家庭内暴力や老人介護などで家の中に閉じこめられ抑圧された女性であるところがポイントです。この点、2人は一方通行の関係ではなくソウルメイトの側面を持っています。

真夜中でも奴隷のように呼びつけて罵倒してくる老いた「毒親」とか、表現活動や友人すら失ったまま浮気性のモラハラ男の言いなりに過ごすとか、見ていてしんどい。リアリティがあります。

特にモラハラ夫が、もし娘を連れ去ったら絶対に許さない、お前の命はないぞと妻に凄むシーンなど、ちょうど共同親権法案が衆議院法務委で可決された所でしたから、なるほどこういうことになるのかと勉強になりました。弁護士事務所でも共同親権という言葉が出てきます。

なので、迷惑きわまりないサイコパスの暴走物語とはいえ、虐待的な関係性からの解放を直球で描いている面ではスカッとします。ラストで詩人が披露した詩は心からの感謝の気持ちだろうと思います。
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