あける

シック・オブ・マイセルフのあけるのネタバレレビュー・内容・結末

シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

序盤からシグネのヤバさが垣間見えるので見ていてしんどくはなかった。
ヤバさが彼氏にも感じられるのでヤバさが分散していて丁度いい塩梅だったのかもしれない。
服役したのが面白すぎた。
服役中だから寂しいと言ったシグネは結構本音だったのかなと思うとこの二人さっさと別れろとずっと見ながら思っていたけどやっぱりこの二人だったから上手いことやってたって部分もあったのかなとか思ってその寂しさには少し同情した。

承認欲求があってもなりふり構わない行動力なのは凄まじいパワーだわね、とモデルの仕事に就こうと動いた彼女を見て正直感心した。(ヤバさはヤバいが)

あの撮影シーンで「シグネを撮りますか?」と言った助監督っぽい人なのか撮影の人なのかアシスタントなのか、あの人だけがただ唯一倒れる前も倒れたシグネにも真摯だった。もしくはその仕事に責任や自分の仕事に何も左右されないからなのか。

始まった時から読めなかったラストが(こういうネタなら最後は自業自得で死ぬのでは?と安直に考えてしまう)、まさか「生きたい」という直球なセルフラブに着地、それも代替療法のコミュニティで幕を閉じた事が意外だった。
彼女に必要なのは根本のケアや人との慰め合い(悪い意味ではなく共感などからのケア)が必要と示したのか、それとも撮り手が放り投げてあのラストだったのかとても気になる。
承認欲求がどこから来て、本当は満たされるべき何かがどこかにあるとして、という意味合いなのか。
ヨーロッパの医療の雰囲気がどんなもんなのか知らないのでなんとも判断出来ないけど、西洋医学以外でのアプローチが必要になるっていう部分をどう処理したら良いのか正直読めない。
自分は西洋医学から東洋医学にレイキとか使えるものは何でも保険に対応しちゃえば良いのにと思う人なんだけど、だからといって困ってるから病院かかって治そうとして自分で変わろうとしようとする人がどれだけいるんかなとも思うわけですけど(行ったら治るもんじゃないじゃん、どんな医者でも。特に未病きついし)。
結局彼女の起こした行動でしか私は彼女を判断できないのよね。
もし彼女が自分の虚言や問題行動に困っているのだとして、変わりたいならあの場所がいい機会になると良いなとは他人事として思いはするけど。
そんな単純に変われるほど欲求への素直さがおさまるかは不透明だものね。
承認という仕組みがあるsns社会で生きるのはなかなかしんどいと思う。

うーん
セルフラブとは

そういえば自己肯定感より自己否定をしないようにしようという記事を読んだけどそうだよなーと思ったことなどを思い出した。
あける

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