クリーム

シック・オブ・マイセルフのクリームのレビュー・感想・評価

シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)
3.9
かなりブラックなホラー·コメディ。序盤は、ムカつくカップルの自己主張合戦を、中盤で主人公が注目を浴びる事に目覚め、そして度が過ぎて自滅して行く。SNS等の過剰な承認欲求を究極なストーリーで皮肉る。かなり悪趣味だけど面白かったです。

シグネは、勤め先で怪我人を介抱する様子をネットで称賛され嬉しくて舞い上がる。 アーティストの恋人トーマスが世間から注目を集めると、異常な嫉妬心にかられ、何とか世間や彼の気を引こうと考えます。そして、旧友に違法薬物を入手させ、顔や身体をわざと変化させてまで、他人の目を引こうとするのでした。

※本当に容姿に苦しむ人もいるので、そう言うコメディが苦手な方は観ない方良いです。


ネタバレ↓



トーマスのパーティーで、彼のスピーチ中に自身がナッツアレルギーだと偽り、発作を起こす芝居をしたら皆に注目された。ここから、シグネはエスカレート。ネットで観たロシアのリデクソールという副作用で恐ろしい皮膚疾患が生じる薬を発見すると、彼女は友人にその薬を大量に取り寄せて貰い、乱用します。次第にシグネの皮膚に異常が見られ、入院。そして、メディアのインタビューを受け、自分の病状を世間に公表し、同情を得て、注目を浴びる事に成功。
するとモデルの話が舞い込んで来て、モデルをする事になった。世間に認められた気分のシグネだが、病状が進んで行き、顔の皮膚炎は酷くなり、毛も抜け、歩くのもやっと。仕事現場で倒れます。その頃には吐血し、震えが来てボロボロ。トーマスは、盗み等で捕まり刑務所へ。それでもまだ、注目を浴びたいシグネは、記者の友人を呼びつけ、真実を話ます。頭の中では、自叙伝を出版する気満々でしたが、友人はぶちギレ、とうとう誰にも相手にされなくなり、グループセラピーで反省するシグネでした。

彼女がボロボロになって入院しても、その皮膚炎は感染しないのかと心配するトーマス。しかし何故か別れないのも面白い。シグネの見た目が予想以上にキツい症状で、私なら人と会いたくないレベル。シグネはそうなると知っていて、あの薬を大量の飲んで、恐ろしい顔や身体になる。そこまでして、注目を浴びたい気持ちは全く解らないけど、訴訟が起きると解ってるのに飲食店で迷惑行為をする若者の究極の姿に見えた。これは、極端だけど、承認欲求を追求しすぎる人達への警告映画でした。絶対、あり得ないので、笑って良いのだと思うけど、望まずしてその様な状況の人の事を考えるとちょっと考えモノではある。映画としては、振り切ってて良かったです。
クリーム

クリーム