マレーボネ

青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ないのマレーボネのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

青ブタランドセルガール、めちゃくちゃ良かった〜!

前作『お出かけシスター』が通信制高校のプロモーションビデオみたいだったから若干不安に思ってたけど杞憂でした。
ところどころボロボロ泣いて、すっきり映画館を出れた笑

いつもの「認識 or DIE」という思春期症候群の要素に引き込まれつつ、キャラクターの魅力にしんみりする、シリーズの良さが全面に出た作品だった。

今回のヒロインは間違いなく梓川咲太。
ほんとかわいい、咲太。

無責任な子どもでありたかった時期に、妹を守るために親元を離れざるをえなかった咲太。
新たな思春期症候群をきっかけに、自分自身を振り返り、良きも悪きも認め、やがて母親と向き合うという過程に、「成長していくこと」の切なさと希望が溢れていて、胸いっぱいになった。

父親が「親の気持ちは親になったときに分かればいい」と言っていた、ってくだりがあったけど、たぶんこれは逆で「親の気持ちが分かったら、それは大人になったということ」なんだろうな。
病室での母親を前にした咲太の独白はまさにそれを象徴していて、美しいハイライトだった。

青春ラノベ主人公といえば、どこか達観していて、ともすればメタ的な視点さえ持っていることも多い印象で、見方によってはヒロインを魅力的に見せたり、読者が感情移入するための舞台装置、という場合も多くあると思う。

そんな中で梓川咲太という青年に正面から光を当てて、その内に秘めるものをしっかりと写し出すストーリーラインや、しっとり丁寧な描写、感傷的な演技がとても素晴らしい作品だった。
石川界人さん大好き。

そしてなにより麻衣さん。
桜島麻衣を見るならこの映画、ってくらいめちゃくちゃかわいかったしカッコよかった。

“互いを認識することで自分自身と相手を存在させている”という青ブタの世界観において、
「いつか家族になりましょう」という言葉のなんと力強いことか。

正ヒロインの力を思い知らされた。

ランドセルガールの正体、今回は本当に母親に起因する思春期症候群だったのか、赤城郁美、霧島透子……。

この辺は伏線って感じで答えは出ないままだったので、これからのシリーズが楽しみ!


麻衣さんではなく、双葉と古賀のアクスタを買いました(報告)
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