抹茶マラカス

青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ないの抹茶マラカスのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

前作は不登校の回復を描いた訳だが、今回はこの手の青春ハーレムアニメの中で背景に後退していく親不在問題に正面から取り組んだ。この青ブタシリーズにおいては、主人公の咲太と花楓が2人暮らし、母は心の病で入院していて父はそちらの世話がメインでなかなか登場しない作り。
数々の友人たちの思春期に固有の問題が具象化してしまった思春期症候群を解決していった咲太は、その主人公性によって彼の周囲を平和に平和に導いていく。その結果もたらされていった平穏は彼の主人公性を奪ってしまう訳だ。全てが万事解決していく中で、母も体調を取り戻し始め、元に戻ろうとする家族の中に自分がいないのではなかろうか、と思春期症候群を発症してしまう。
終わってみれば、咲太が親から愛されていることを気付いて、もうちょっとお母さんの顔を見ようっていうだけなんだけど、そこを丁寧に丁寧に描いていて非常に好感が持てる。また、いざとなったときに頼るべき存在に頼れる、周囲に相談できる主人公像も確立されてきており、そこもまたこのシリーズが好きな所以である。
しかし一旦の終わりだと思っていたら続きが決まりましたな。まだまだ長い関係になりそうです。