青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ないのnadinaのネタバレレビュー・内容・結末

前作『おでかけシスター』では花楓にとっての良いお兄ちゃんっぷりを存分に発揮していた咲太ですが、今作ではその良いお兄ちゃんであったが故の苦悩が描かれました。
今までのシリーズでは咲太たちの母親の様子があまり描かれてこなかったことがこうして重大な意味を持つとは思いもよりませんでした。

花楓は母親との空白期間をすぐに埋めることができましたが、その空白をずっと深く抱えていたのは咲太の方。思春期症候群がそれを浮き彫りにしたかたちでした。
いつも誰かのために必死になって奔走していた咲太ですが自分のこととなるとどこか諦観が入っていて、それを確りと掬い上げてくれるのが麻衣さんというのがすごく良いなぁと思いました。

家族になること、家族であることは簡単なようでとても難しいことなのだと気付かせてくれました。
大学生編も楽しみです。