ぼっちザうぉっちゃー

青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ないのぼっちザうぉっちゃーのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ただただ咲太お疲れ様。

高校生編の完結ということで、「思春期」の命題である「大人になること」について一つ決着がついたような気がした。

思春期は、月日によって生じる年頃の感情や複雑な自我そのものに引き起こされるものであると同時に、「家族」というコミュニティからはみ出すことによって生まれていくようなところもあって、それが咲太の場合別居という微妙な関係と兄としての微妙な立場によってなあなあにされ続けていたように思う。
今作で咲太自身の「思春期」に回帰するにあたり描かれた家族の再生は、その自覚でありけじめのような趣にも感じて、最後の抱擁は純粋に泣けた。
咲太の三白眼気味の不細工な泣き顔もいとおしく思えた。
総じてここまでまるっと含めたすべての「微妙な」時期こそが、まさしく咲太にとっての「思春期」に他ならなかったのだろうと感じられた。

麻衣さんに見つけ返してもらう展開も、いやにドラマチックに描かれず、あくまで番となった今「2人の問題」と化している様がとても感慨深かった。
とはいえアニメ序盤の消失と違って積み重ねがある分マジで怖い思いにさらされた。
あとは麻衣さんのタイツのデニールが気になった。

咲太のお礼参りのようなスタイルで進むおかげで、聖地巡礼をした甲斐を感じられた。
思った以上に良いところだったのでまた行きたいと思う。
大学生編も決まったことだし、ちょうど入れ替わりのようなタイミングではあるけれど原作を一から追っていこう。