サマータイムブルース

せかいのおきくのサマータイムブルースのレビュー・感想・評価

せかいのおきく(2023年製作の映画)
3.5
⚠️注意⚠️
一部お下品な表現が含まれます
苦手な方はスルーしてください
食事中の鑑賞はオススメしません

時代は江戸末期、汚穢屋(おわいや/便所の糞尿を汲み取る職業)という仕事を生業とした矢亮(池松壮亮さん)と中次(寛一郎さん)と、武家育ちでありながら訳あって長屋で父と2人で暮らす、おきく(黒木華ちゃん)の3人の若者が織りなす青春ストーリーです

いきなり顔をしかめたくなるようなシーンから始まります
モノクロで良かったあー、ただし、時々一瞬だけカラーになるので注意が必要です

これって、金をもらって糞尿を引き取るのかと思っていたら、民家や長屋、武家屋敷などから金を払って、買い取るんだね、それを農家まで運んで肥料として売るみたい、過酷な職業です

職業に貴賎なし!!とは言うけれど・・・

黒木華ちゃんがとにかく可愛い!!輝いて見えました
華ちゃんが「クソ」とか「屁」とか言います
華ちゃんのお父さんが源兵衛(佐藤浩市さん)
佐藤浩市さんと寛一郎さんは親子共演果たしてます

ある時、大雨になって長屋の廁から糞尿が溢れ出し、住民は鼻をつまんで大騒ぎです
源兵衛とおきくも親子喧嘩が始まります
そこにようやく矢亮と中次が汲み取りに来ます
中次に気のあるおきくは
「そこにわたくしのモノは入っておりません!!」と言って、顔を赤くして家の中に隠れるの萌える♡

また別の日には、長屋の共同廁で源兵衛が用を足していると、タイミング悪く中次が汲み取りに来ます
俺は今通じが悪いからそこで待ってろ!!と、外で待たせ、その間2人で会話します
源兵衛が、んんっ!!と顔をしかめて力むと、ブリッ!!ボトッ!!ガサガサッ!!とリアルな音がして、スッキリした顔で出て来ます
そして中次に「世界って言葉を知っているか!?世界はなあ、広いんだぞ!!」と、今度はウンちく垂れるのでした

長屋のじじい、孫七(石橋蓮司さん)が味のある役所でした
彼はかつて棺桶造りの職人で、何人もの死者を運んだと言います
自分の寿命もそんなに長くはないが、地面に埋まれば虫に食われ土に戻り役に立てる、楽しみだと言って笑います

ウンコを肥料にしてリサイクルしたり、死んだら土に還る、そこにSDGsのメッセージを感じました

真木蔵人さんが怪しいお坊さん役で出て来ます
この方、久しぶりに見た気がする
お坊さんも彼が演じると怪しいヤツに映ります

みんなが懸命に生きている姿が美くしくて尊い

そういえば我家も私が小さい頃は汲み取り式で、定期的にバキュームカーが来てたっけ
たまに肥溜めに落ちる夢を見てうなされたりして
初めて水洗便所が家にやって来た時はメチャ嬉しかったの覚えてます

子供ってウンコ好きだよね、犬のフン踏んだヤツにエンガチョー!!って逃げ回ったりして
え!?しない!?
今は犬のフンも落ちてないのか

上から入れて、下から出す!!
考えてみれば人間の根幹を支える重要な職業な訳で、誰かがやらなきゃならない仕事なんだよな、ホント頭が下がります

☆aaaakikoさんのレビューを参考に鑑賞しました☆