このレビューはネタバレを含みます
アメリカ財政破綻後のカリブの小国で
精神安定剤に依存する女と
鶏に人生を賭ける男
全編キューバ8K撮影の群像劇
原作:芥川龍之介「報恩記」
脚本・監督・撮影:高城剛
冒頭から映像が美しすぎてすごい。
あまりに革新的で計算し尽くされた高解像度な作品。
全ての人物やシーンや言葉が伏線回収されていく完璧なパズルは脱帽。
こんな高速で画角をパカパカ切り替えしたりする、3Dのような神視点で人や空間を見ることに人類は慣れていないから、見ていて疲れてしまったけど、
複数台カメラで同時撮影する手法はとても効率的で、切り替え時の些細なズレがないから細かく切り替えしても違和感がなくて、新しい映像体験だなと思った。
(一般的な映画やドラマは2〜3カメラしかないから同じ演技を何度も行い引の画角や左右の画角を撮影してるから、演技や髪や光がわずかにズレるし切り替えを増やすと違和感が出るが、一発撮りだと違和感がないから3DCGを神視点で見ているような気持ちになる)
映像がとにかくキレイで、画角も全てバチっと決まっててカメラのCMくらいのクォリティだった。
しかも、空も海もあまりにも美しくて天候に恵まれ過ぎていて、青空も夕焼けも、めちゃくちゃキレイすぎてマジかよって思った。天候優先で撮影したとか、そんな香盤組めるのすごすぎる。
同じシーンをループして繋げたり、バラバラだった登場人物が少しずつ繋がっていく構成の映画は大好物なし、
思い返すと全ての台詞や人物パーフェクトにパズルが完成していてすごいなと思う。