KeiRalph

コカイン・ベアのKeiRalphのレビュー・感想・評価

コカイン・ベア(2023年製作の映画)
3.8
もはや私の記憶に留めておくだけになってしまった京都みなみ会館で見た「キラーカブトガニ」は、私のような好事家にうってつけの映画でしたが、今回見たこちらは、最終的にロボが出てきたりもしない、意外にちゃんとした映画で拍子抜け…いやそうじゃない、実に良心的な映画でした!

80年代、密輸入で空輸されていたコカインがジョージアの山中に落下したのは本当の話のようで、勝手な推測ですが、クマが中毒になったり、地元の子供やバイヤーや警察、森林保安部のおばちゃん等がコカインに吸い寄せられるかの如く集まってくる…というのはどう考えてもフィクションだと思います。

冒頭登山カップルが、コカインでガンギマリのクマに襲われるところでタイトルイン!決まったー!王道オープニング!そこが良いんじゃない!さあ、これからはストーリー度外視のクマ無双が始まるでえ!

と思ったら、なんか多重的人間ドラマが続くんですけど!しかもやたら丁寧!思ってたのんと違うけど、それぞれにちゃんとキャラクター性も付加してるし、要らないとも言いにくい!ラストに近づくにつれ、それぞれがクマ被害に遭って淘汰され、残るべくして残る展開も思った通りとはいえ、クマちゃん大暴れ以外にも見せるべき部分を作っているのは良かったです。

その分、人体構造を無視した破天荒な破壊描写や、「レヴェナント」でディカプリオが出会った激ヤバクマちゃんほどの過剰さは期待できませんが、これはこれで良いんじゃない?と、鑑賞中にビールをキメながら結論しました。
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