カルダモン

コカイン・ベアのカルダモンのレビュー・感想・評価

コカイン・ベア(2023年製作の映画)
4.3
セスナ機からコカインを詰めたバッグを大量に投げ捨てるラリった運び屋。眼下に広がるのは国立公園の大森林。そこには大きな熊さんが。──あとはお察しの通りデス🐻

〈1985年、密輸業者が落としたコカインを食べたクマがオーバードーズで死んでいるのが発見された〉という実話をベースにしてるっていうんだけど、あまりに笑っちゃう場面ばかりでそんなことはすっかり忘れてました。どこまで事実か知らないけど、とにかくド頭から気持ちよくなってるクマちゃんと、ひたすら餌食にされる人間ちゃんを楽しむ、それだけで大満足の一本でした。グロ描写もありながら陰惨な感じはなく、カラッとドライでハイになる。

最初からハードルはとても低かった。そのせいもあって見事に喰らったカウンターだった。コカインベアはクマちゃんのキマリ具合も楽しいのだけど、それに負けないキャスティングの勝利だったなと個人的には思っております。

ハイキングにやってきた夫婦、
学校サボって森に来た反抗期な少年少女、
追いかける母親、
国立公園を警備するレンジャー、
コカインを探しにやってきた売人、
追いかけるボス、
チンピラ3人組、
警察

95分の割に思いの外たくさんのキャラクターが登場しながら、まったくゴチャつくことはなく、どいつもこいつもバラエティ豊かで魅力的。レイ・リオッタはこれが遺作なのかな。その勇姿をしかと見届けました。




余談
昨日、秋田でクマの親子三匹が工場に立て籠っているというニュースがあり、コカインベアのクマ親子を思い浮かべずにはおれませんでした。