通りすがりのいがぐり

コカイン・ベアの通りすがりのいがぐりのレビュー・感想・評価

コカイン・ベア(2023年製作の映画)
4.2
コカインxクマ=最強!!

だけで終わりじゃないのが今作。
実際に発生したコカインの売人が墜落死した事件とそのコカインを食べて死んでしまったクマの話を元に生まれた今作。予告編でのはっちゃけぶりは何処へ?と思うほどしっかりとしたモンパニなのだ。

幾人かの人間が1匹のコカイン・ベアに蹂躙され無惨に殺されて行く様はかなりエグく描かれている。腕は折れ切り株は見えるし腸は引き出されて顔の原型はなくなり手足は吹き飛ぶ。クマに襲われたらきっとこうなるであろう悲惨な死に様をしっかりとグロく描きながらどこか愛らしい様子も見せるので、コカイン・ベアことコーキーの魅力はしっかりとある。人間パートも退屈しないレベルまでの最低限のドラマはある。子供を探す母親とコカインを回収することになった妻に先立たれた亭主とその友人に不運なことにコカイン騒動に巻き込まれることになった人々と特に理由はないがコーキーの餌になる人々など…モンパニ映画らしいドラマとモンパニ映画らしい魅力があるキャラ達によるまさかの群像劇もちゃんと楽しい。

やるべき事をちゃんとやって楽しませられることをちゃんと楽しませる好感を持てる今作。何より今作が現実にいたコカイン・ベアの無念を晴らす人間たちに対する壮大な復讐劇であると思うとやはり胸が熱くなるものがある。
かもしれない。