HAYATO

コカイン・ベアのHAYATOのレビュー・感想・評価

コカイン・ベア(2023年製作の映画)
3.8
2024年181本目 
リラックマならぬラリックマ
実際の事件に着想を得て「コカインを食べて凶暴化したクマ」が起こす騒動を描き、SNSで大バズりしたパニックアドベンチャー
1985年。運び屋・アンドリューはセスナ機に積んだ大量のコカインをジョージア州の森に投下するが、自分自身も誤って落下して死んでしまう。引退間近の刑事や麻薬王の一味がコカインの回収に向かうなか、巨大なクマがそのコカインを食べてしまい…。
『スパイダーマン』シリーズなどで知られる女優・エリザベス・バンクスが監督・製作を兼任。『猿の惑星:新世紀』のケリー・ラッセル、『ストレイト・アウタ・コンプトン』のオシェア・ジャクソン・Jr.、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』のオールデン・エアエンライク、『パーフェクト・ケア』のイザイア・ウィットロック・Jr、『エスター』のマーゴ・マーティンデイル、『グッドフェローズ』のレイ・リオッタが出演。2022年5月に死去したレイ・リオッタの最後の勇姿を目に焼き付けた。R.I.P.
実に突飛な話だが、1985年にアメリカ合衆国ジョージア州でアメリカグマが麻薬密売業者の投棄した大量のコカインを摂取し、薬物の過剰摂取で死亡したという信じられないような実話をモチーフにしている。この話を『スパイダーバース』シリーズを手掛けるフィル・ロード&クリス・ミラーが気に入り、映画化企画が始動したそう。
そんな実話をもとにしているとはいえ、結果的に出来上がったのはエンタメ要素をとことん付け足したトンデモ映画だ。人体破壊などの残酷な描写が多々あるが、とにかくふざけたトーンなので嫌悪感を抱くどころか『タッカー&デイル 史上最悪にツイてないヤツら』のように笑ってしまう。
最近見た『猿の惑星/キングダム』もそうだが、動物を再現する現代のVFXのクオリティは凄まじいレベルに達していて、大量のコカインを食べて暴れ回るクマがシンプルに人を襲うシーンはもちろんのこと、ユーモラスな動きや表情までも見事に表現されていた。個人的には、死んだふりするエディの上でぶっ倒れるシーンがお気に入り。
クマに遭遇した時の最善の処置を教えてくれるのかと思いきや、最後まで人間は何をしても歯が立たなかった。その潔さと不真面目さが良かった。
エリザベス・バンクス監督は続編に意欲的だそうだが果たして…?
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