六四二

658km、陽子の旅の六四二のレビュー・感想・評価

658km、陽子の旅(2023年製作の映画)
4.1
菊地凛子が主演の映画を見られることはこの上ない幸せである。見てしまうと陽子を演じるのにこの人以外はちょっと思いつかない。
ロードムービーである本作は神奈川だか東京だかから青森までを車で行く。途中、東北太平洋岸の震災の跡を通過する。
いつしか引きこもったような日々を送る陽子。制御する意思と目的を失い、漂流しているだけだった陽子の舟は、父の死と偶然のアクシデントをきっかけとして、再び力強く漕ぎ進められようとしている。そのことをはっきりと示す場面を見て強く心を動かされた。架空のストーリーであったとしても人の心の奥行きの深さをみた。
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