阪本嘉一好子

From the Sky Down(原題)の阪本嘉一好子のネタバレレビュー・内容・結末

From the Sky Down(原題)(2011年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

U2 に特別に興味がないが、主義・主張を持っている人が好きである。それが、私とあわなくても興味をそそられると思ったが、このグループ、特にボノの哲学は複雑で、彼のような芸術家の心の中は単純ではないね。もし、楽器ができると、ボノがエッジに対して話している演奏テクニックの意味や、また逆がよくわかるとおもう。それに、ボノがコードをD...F...G...などと音にしながら歌うシーンがあるんだけど、かっこいいシーンだと思う。監督や撮影者は視聴者を印象付けるのが上手いね。でも、このフィルムの難点はU2 のメンバーを知らないと、誰が何を発言しているかを声質で判断しなければならないこと。み終わってやっと、ドラマーがラリーでベースがアダムだということがわかった。
このドキュメンタリーにドキッとした言葉がある。単純な言葉に思えるが、深い、深い、意味があると思う。繰り返すが、私はU2 の予備知識はないので、間違って聞き取ってるかもしれない。訂正を歓迎します。

1)80年代、米国ツアー「ザ・ジョシュア・ツリー」https://www.youtube.com/watch?v=YPmdjA8_YOk&t=46s で人気を博した。写真家もアントン(Anton CorbijnーU2のよく見かける写真は彼が撮ったんだね。)でニューオリンズで撮影したり、アメリカで有名になったので、自分たちの知らなかったアメリカを発見した気分になっていた。ボノの言葉だと思うが、『でも、アメリカ人にとっては何も発見ではなく当たり前のことだと」と気付いたらしい。当時のアメリカの音楽のモノマネにすぎない。音楽だけでなく、衣装なども。これで得意になっていたようだが、評判がガタ落ちしてしまったらしい。ボノの言葉は貴重で、日本の歌謡界だけでなく、私たちもアメリカのモノマネで生きるのではなく、なにか独自の想像力を使って創造せよと教えてくれる。2012年のグローバル社会ではモノマネはもっと通用しなくなっている。このボノの発見がU2をユニークなバンド、メッセージを含んだ、特使としたと思う。

2) ONE,、よく知らなかったが、改めてよく聞いてみたら、『世界は一つ』のメッセージなんだね。最初の方は、二人は『一つ』と恋人同士の愛を歌っているような歌詞だが、この個人のレベルの愛が世界レベルのと結びついているんだね。そして、かなり、宗教用語の羅列(temple-神の住むところ, higher law,make me craw, sisters, ,,,)だね。でも、一般の言葉と共通するからね。carry each other とは素晴らしい!だから、ONEなんだ。知らなかったね、こんないい歌詞だったとは。

You say love is a temple, love a higher law
Love is a temple, love the higher law
You ask me to enter but then you make me crawl
And I can't be holdin' on to what you got
When all you got is hurt
One love, one blood
One life, you got to do what you should
One life, with each other
Sisters, brothers
One life but we're not the same
We get to carry each other, carry each other
One
One
(Musixmatchから抜粋)

ローリングストーン紙の言葉だが: Rattle·and·Hum is the sound of four men who still have not found what they are lookin for-R.S
ローリング・ストーン紙の言葉はU2にとって大きな意味をもたらしていると思う。U2を知らない私にとっても、『自分たちの音楽』を模索してるんだねと感じる。

1988年、a hybrid live/studio album
U2 ▶ Rattle·and·Hum (Full Album)
https://www.youtube.com/watch?v=3uARUVPzYTs&t=17s
ビートルズのヘルス・スケーターから始まっている??

これは2011年の映画なんだね。U2はプロとしての音楽の方向転換、有名なバンドになったから満足じゃなくて、the bestのバンドに。これが、ミーハーの概念でなく、プロとしての意識が高いから、深くて細かいことまで追求をしてるんだよね。カリスマ的でゴージャスなバンドに思えるけど、彼らの目的はそこじゃないんだね。日本のアイドルバンドなどとU2とは音を醸し出しているが全く別なものなんだね。それを判断するのはYou! だね。’

ドイツのHansa スタジオ(旧ベルリンの壁の近くにある)で、Achtung Baby (アクトン・ベイビー)を制作しながら自分たちの方向や音楽のテーマが見つかったというようなドキュメンタリーで、ここで「One」が生まれる。それに、エッジにしても、個人的な経験である、愛の喪失感がよく出ている( 'Baby' Love Is Blindness)。1990年に制作後、2011年のカナダのグラストーンベリー・フェスティバルでのコンサートがこのドキュメンタリーの前後に加えられている。
U̲2 - Achtung Baby (Full Album)
https://www.youtube.com/watch?v=AUfGBX47e1E

蛇足:
ボノがデイヴィス・グッゲンハイム監督に「ゲット・ラウド ジ・エッジ、ジミー・ペイジ、ジャック・ホワイト×ライフ×ギター」や「不都合な真実」や高校の実態などの映画を監督していることに賞賛をあたえ、幅広いトピックに感心してなぜと聞いたら、『I don't want to like safe!」だって。すごい感覚!安定を求めている人が多いのに。危険・不安定・心地よくないな感覚が心地よいんだね。挑戦的な監督なんだね。