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しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜のpizzasushiramenのネタバレレビュー・内容・結末

3.1

このレビューはネタバレを含みます

大根監督なので観てみた。
中盤からラストにかけてテーマがわかりやすく、こういうことがやりたかったのね、と思った。

子供に向けて作っているというよりは私たち大人が見て楽しめる、何かを感じてもらえるような作品作りになっていた。本家のしんちゃんもそういうとこあるよね。
とはいえ結構たくさんの子供が見に来て笑ていた。
きっとテーマ的なところは理解できないだろうなと思いつつ、要所要所で笑ってた。これはもうしんちゃんのお家芸の笑いだと思う。

この子達が今理解できなくても、もう少し大きくなってからや大人になってから、人生の過渡期に何度も見直して、その度に感じることの違う作品作りをクレヨンしんちゃんはしてると思う。
今回の作品もその作り方に倣っている。見てもらえるかは別として。

幼稚園生の充くんに寄り添うしんちゃん、小学生の充くんと笑うしんちゃん、青年期の充くんと戦うしんちゃん。
これは私たち大人たちの幼少期からの成長を描いている。
充くんは私たちで、しんちゃんは私たちの友達だった人たちのメタファー。

ちゃんとその年ごとに一緒に笑った仲間がいて、自分は決して1人じゃないことを指していると思う。
大人になった今、1人で孤独を感じていても、私たちにはかつて仲間がいて、それは消えたのではなく、私の中にいるのだ、というメッセージ。

最後の「頑張れ!」の大合唱はちょっとやめてくれよ、という感じだったけど、しんちゃんってずっとそうやって私たちに寄り添ってくれてたな、とか思った。
ひろしのドヤ顔「頑張れ!」はウルセェひろし!って感じだったけど。


気になった点は、しんちゃんのイタズラの度合いがきつい。
しんちゃんってこういうものでしょ、感が見える。
ブラジャーを顔につけたり、キックボードで町中をノンストップで逃げ回ったり。
追いかけるみさえも自転車でノンストップ。
それを劇場の子供たちはゲラゲラ笑いながら見ていた。
真似する子いたら事故に合うし、イタズラを助長させてる展開にうんざりした。
令和の今でもこんな感じなのね、、というシーンがこのほかにも何箇所かあったように思う。

アニメのしんちゃんはだいぶそういった点が改善されていて、(頭ぐりぐりとか殴るとかがない)が今回はぐりぐりまで行かずとも似たようなものとみさえがしんちゃんの頭を叩くシーンがあった(気がする)。

昔のしんちゃんは例えばゾウさん、とかみさえのことをみさえと呼んだり(今は母ちゃん)、ゲンコツなど盛りだくさんだったが、時代とともにアップデートされて今のしんちゃんはそういったことは配慮されている。

中高生にしんちゃんが殴られるシーンは、投げ飛ばされるカットはあれど殴る蹴るなど直接的カットは無かったように思うので配慮を感じた。

面白いか面白く無いかで言ったら、思ったより面白くなかったが、全国の「充くん」は観て損ないかも。

しんちゃんの声、だいぶ似てるけどふとした時にやはりちょっと違和感ある古い人間です。
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