遊想陸

瞼の母の遊想陸のレビュー・感想・評価

瞼の母(1962年製作の映画)
3.7
導入は、松方弘樹演じる半次郎と母とのエピソード。ここで、錦之助演じる忠太郎の母への思慕が痛いほどわかる手紙の場面があって上手いンだなあ。続いて、浪花千栄子との長回し。歌舞伎の一幕を観る容な名場面。更に、沢村貞子との酒屋での長回しがあり、いよいよ木暮実千代演じる母との対面。この場面の錦ちゃんは凄い。嬉しさに半開きになった口で膝立ちにじり寄る切なさに、客も泣くが錦ちゃんも泣きっぱなし。
村祭りや柳橋「水熊」の露地の風俗描写が、映画の厚みを支える。
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