ジャッキーケン

君たちはどう生きるかのジャッキーケンのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.2
これは一回で理解できる…のか?

世界の宮崎駿待望の作品ということで楽しみにしてたけどなんとこの時代に逆行した一切宣伝を打たないスタイルという「ファーストスラムダンク」でも内容ほとんど明かさない方法で成功したとはいえ
スラダンに関しては山王戦だろうという大多数はその察しがあったからこその大成功、とはいえこの作品は原作全然知らんし鳥人間みたいなポスターも「ファンタジーなのかな」程度。ほんとに未知の作品

ただ未知なものほど唆られるので本作もなんだかんだ宮崎駿監督作品だし期待せざるを得ないということでネタバレ極力回避のため朝一で行ってきたけど…

これは!うん!ほほぉ…
と言った初見味見終わった直後は果たしてこの映画は絶賛級なのかなんとも言えないの顔よく分からない狭間を彷徨う味わいで考察と解説を見た上でないと評価の判断がしづらい作品

今見終わった後の感想で言うなら
俺的には楽しめた
10年ぶりの宮崎駿作品というスパン補正はあるかもしれないがそれでもジブリ作品で宮崎駿作品を映画館で見れるってだけでテンション上がるしそれだけでも高評価を付けたくなってしまう

ポスターからファンタジー作品と踏んでいたが冒頭、空襲から始まる燃え上がる日の中で散っていく母親から始まる

え!?これ風立ちぬみたいなリアル系なん??しかもその後のギクシャクした新しいお母さんに身籠る子供
新しい環境にどこか寂しげに過ごす主人公に突如現れる喋る鳥が現れてからは一気にファンタジーの胃袋が鳴り出して止まらなくなる

喋る鳥が現れてから異世界へと誘われる
てか異世界に行くまでがスローテンポでこのファンタジーなのかリアル系かどっちつかずってのがずっとモヤモヤさせられた
行くなら早よ行ってくれー!って気分にさせてくれる

異世界へ行くなり「千と千尋の神隠し」のようなジブリなファンタジー世界に身を投じていく。その世界に消えた新母親を探すために
異世界パートは悪くない、ただ行くまでが長いしもっとこの世界に浸りたいけど色々と尺が短いせいでそこで出会うヒロインのようなキャラとの関係性であったりその世界に訪れる危機とかその世界でのパートの明らかな尺不足にヤキモキした

積み木を積み上げるように信頼と優しさを積み上げより良い世界にしていこうという世界平和まっしぐらなメッセージ性はむしろ駿らしくて良いけどファンタジーで魅せるならもっとガッツリやってほしかった

メッセージ性ありきの作品であるのは間違いない。ただ作品そのものの勢いが足りないし安牌なジブリ作品。

この映画が名作たちと並ぶかと言われればそうでもない

好きか嫌いかで言われれば好き
この映画がウケるのは万人ではなく10年間待ち続けたジブリファンと映画好きにしか受け付けない普段映画見ない人からしたらポカンだと思うしある意味その蓋を開けたら何気にとっつきにくい作品だけにあの宣伝無し戦略は正解だったと思う