ささ

君たちはどう生きるかのささのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

病院の火事になるたび涙がこぼれて自分でもびっくりした。
体を抜け、魂になるほどの焦りと混乱。
炎の生々しさが初めは主人公の痛みと不確かさを感じさせた。

アオサギはやり方は良くなかったが主人公の為に母親を用意していた。(誘き出す為だったにせよ主人公が求めているものを与えようとした。)
主人公はアオサギを殺そうとする。でも、最後には友達になるのが面白い。

屋敷が少し歪んでいるのが屋敷のものすごい広さを感じた。

屋敷使いのおばちゃん達は白雪姫の小人の様だった。

主人公は礼儀正しく、軍人の様だった。

親の前では本心は決して見せず、アオサギを殺す為に盗みや武器を用意していたり、自傷を行っていた。

後に本作の本題の様に思う所で、継母も主人公の様に表に出さない所で作中の表現で汚れを持っていたと気づく。

石の間で継母から大っ嫌いと言われて、主人公は初めて継母の苦しみを理解する。そして、継母を救う為に初めてお母さんと呼ぶ。

この時、死にゆくペリカンの言葉を思い出した。生まれ変わる白い可愛いヤツを食べるペリカンは恐ろしいと思ったが、ペリカンはそうせざるを得ない状況があった。
地獄と言いながら襲って食べているペリカンを主人公は埋葬する。

実母の少女もペリカンを花火で撃退する時に一緒に白いヤツを巻き添えにしているのも印象に残った。

敵味方や善悪だけでは理解できない事柄がこの世界や一個人の中で流れている。


隕石の話。
隕石を元に色々な世界・時空が繋がっている。(これがどこまでの範囲なのかは分からない。)
ペリカンのいた世界の話だと、輪廻転生の様に僕らがいるこの世界から他の世界(天国や地獄)を巡って、またこの世界にもやってこれる感じなのかな。

主人公が迷い込んだのは鶏(オウム)が人類の様に増えている世界。
まって、オウム、おうむ、王蟲?ダジャレ?
最近、毎日の様に鶏肉ばっかり食べてたから、オウムが人の肉を食べようとするの変に納得してゾッとした笑

叔父のいる世界は石や宇宙、駅のホームが描かれ、宮沢賢治の世界の様で神秘的で美しかった。空に浮かぶ雲も絵画の様だった。

木の積み木ではなく石の積み木。
石は墓石と言っていた。
積み上げられた積み木は地層の様にも感じた。
そして、汚れない積み木を使っている。
汚れのない積み木とは産まれたばかりの赤ちゃんの事かなって思った。または、宮崎駿監督の作品自体?

なぜ主人公は叔父の後を引き継がない。
叔父と主人公とは違うということ。尊敬と自身の劣等感。それの肯定?
主人公は目的がハッキリしていて、実母に会う事と継母を連れ戻す事、これを果たす為に行動してる。

最後にエラいオウムが自分で積み木を積むのは、自分(オウム)の世界の問題を人間(神)に左右されるのに納得できなかったからかも。

宮崎駿監督の色んな話を聞いて本作を観ると、カリオストロの城の様な今まで作ってきた作品の要素をひとつに纏めた宝箱ような作品だと思った。

そんな世界も積み木が崩れ無くなってしまった。
新しい世界で僕たちはどう生きるのか。



ドルビーで観ると炎や太陽、火花などの演出がより際立って感動した。

火事や悪夢?の場面は宮崎駿監督と違う感じがした。

登場した「僕たちはどう生きるか」の小説を途中で読みかけになるのは面白い演出だと思った。
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