この世がどんなにクソに塗れていようと、それでも君が生きるに値する世界なのだ。
という、子供たちに向けたシンプルかつ崇高なメッセージを、説教としてではなくイマジネーションの奔流そのものとしてフィクション/ファンタジーに仮託した結果、作品としてはクレイジーの極みに達している。
とはいえ、何の話なのかわからないまま対峙せざるを得ない序盤はジブリ史上かつてない不穏さで非常にワクワクするのだが、活劇に移行する中盤以降はビジュアルやアクションシークエンスが映画の中心になってしまう分、どうしても驚きより既視感が先立ってしまうのは致し方なし、か。