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君たちはどう生きるかのお話探しのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
2.5
期待値の設定が些か難しかったですが、公開日前日までに宮崎作品マラソンは済ませ、『作品ごとに熱量の差はあるし、大ファン…とは名乗れないかもだけど、子供の頃から今でも、“それなりに”好きだったなぁ…』と改めて確認し、気分の出来上がった状態で鑑賞。

(一応小説も前日に大慌てで読みました…が、ほとんど関係なかったね…)

………………う゛ーん………………

・まだ少しばかり独自の味わいの残る出涸らし

・黒澤明の「夢」×「不思議の国のアリス」

・面白いところ無いわけじゃない…けど「宮崎駿作品」で見出せた面白さが、コレっくらいかー…

・諦念混じりの困惑

…観終わって素直に思ったのは、こんな感じでした…。

前述のように“気分は出来上がっている”ので、悪し様に扱き下ろす気にはなれないんですけどね…。

問題点を端的に言うと、
「ファンタジー世界に突入してから登場するモチーフが、軒並みつまらない」
…といったところでしょうか。

超絶地味でも、前半の「風立ちぬ」とほぼ同じ時代の(比較的上流の)日常描写の方が、新鮮で面白かったかもしれません。

唯一、キービジュアルとして公開されていた鳥の正体や、その後別の鳥が大量に出てくる場面なんかは『お、おぅ…w』と狼狽え笑いできて良かったのですが…

「柴咲コウとぞんざいマスコットたち」や「いわゆる“白い部屋”のジジイ」は、とにかく“それっぽい雰囲気”という印象しか受け取れず、デザインも悪い意味で古臭く、申し訳ないけれど退屈でした…。

ベースとなっている「家族」にまつわるドラマ、もっと大枠で言うなら「フィクション・ファンタジーを通じて、現実世界での耐え難い、受け入れ難い苦難を乗り越える」話…としても、ストンと腑に落ちる着地とは思えず…。

最初に述べたように、期待値の設定が本当に難しかったんですよね…。
「もののけ」「千と千尋」級のエネルギーはそりゃ望めないだろうし、子供寄り・大人寄りのベクトルは「ポニョ」「風立ちぬ」で既にやり遂げてしまったし…
そこまで盛り上げ過ぎず、『ヘンテコなの作ってくれたよ!』くらいの姿勢で受け取るのが、ちょうどいい…のかな?
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