期待値の設定が些か難しかったですが、公開日前日までに宮崎作品マラソンは済ませ、『作品ごとに熱量の差はあるし、大ファン…とは名乗れないかもだけど、子供の頃から今でも、“それなりに”好きだったなぁ…』と改めて確認し、気分の出来上がった状態で鑑賞。
(一応小説も前日に大慌てで読みました…が、ほとんど関係なかったね…)
………………う゛ーん………………
・まだ少しばかり独自の味わいの残る出涸らし
・黒澤明の「夢」×「不思議の国のアリス」
・面白いところ無いわけじゃない…けど「宮崎駿作品」で見出せた面白さが、コレっくらいかー…
・諦念混じりの困惑
…観終わって素直に思ったのは、こんな感じでした…。
前述のように“気分は出来上がっている”ので、悪し様に扱き下ろす気にはなれないんですけどね…。
問題点を端的に言うと、
「ファンタジー世界に突入してから登場するモチーフが、軒並みつまらない」
…といったところでしょうか。
超絶地味でも、前半の「風立ちぬ」とほぼ同じ時代の(比較的上流の)日常描写の方が、新鮮で面白かったかもしれません。
唯一、キービジュアルとして公開されていた鳥の正体や、その後別の鳥が大量に出てくる場面なんかは『お、おぅ…w』と狼狽え笑いできて良かったのですが…
「柴咲コウとぞんざいマスコットたち」や「いわゆる“白い部屋”のジジイ」は、とにかく“それっぽい雰囲気”という印象しか受け取れず、デザインも悪い意味で古臭く、申し訳ないけれど退屈でした…。
ベースとなっている「家族」にまつわるドラマ、もっと大枠で言うなら「フィクション・ファンタジーを通じて、現実世界での耐え難い、受け入れ難い苦難を乗り越える」話…としても、ストンと腑に落ちる着地とは思えず…。
最初に述べたように、期待値の設定が本当に難しかったんですよね…。
「もののけ」「千と千尋」級のエネルギーはそりゃ望めないだろうし、子供寄り・大人寄りのベクトルは「ポニョ」「風立ちぬ」で既にやり遂げてしまったし…
そこまで盛り上げ過ぎず、『ヘンテコなの作ってくれたよ!』くらいの姿勢で受け取るのが、ちょうどいい…のかな?