宮崎駿作品は劇場ではもののけ姫を観たのみでファンでは無いが、今回はブロックバスター作品を事前情報0での公開とおそらく世界で最初で最後の壮大な社会実験であり、ネタバレプロモーションが大嫌いな私としは応援せざるを得ず劇場へ。（最近のネタバレプロモーションWORSTはNOPE,RRR,スパイダーバース2辺りでしょうか。）
それにしても7年の製作期間でこれだけの情報統制をなし得た制作陣と関係者にはISOやらPマークやらAEOやらの無審査認証取得権を差し上げたいです。自分の属する会社も何個か認証受けてますが、このレベルの情報統制は100%無理だろうなと思います。
ところで映画本編ですが、自分にはダメでした。テネットを観たときと同じ様な感覚ですが、映像は見応えがありながらも 現在の目的は何？ ここは何処？ あんた誰？ 成功したの？失敗したの? 常に疑問符が残り解消されずにモヤモヤしたまま終わりました。
考察系ユーチューバーのエサの様な映画ですが、テネット同様に初見で理解出来る頭が良い人かお金持ちで複数回観て楽しむ人向けの映画で、私には1mmも刺さるものが有りませんでしたので2回目を行くことは無いかと思います。
以下はネタバレでだいたい悪口です。好きな人にはすみません。
・良かったところは最初戦争映画風に始まり、宮崎駿は高畑勲コンプレックスに呪われてるのか?と絶望したら違った事です。そこは皆ホッとしたところでは無いでしょうか?
・アオサギも正体が明かされるまではホラーテイストもあり良かったです。本体をあそこまでブサイクにする必要があったのか疑問ですが。
・前半はアオサギが頑張って結構緊張感があり良かったと思います。ただ前半に時間を使いすぎてしまって、ファンタジー系のさらに後半（インコ編）になってからが若干駆け足でありながら自分は疲れてしまい早く終わって欲しいと思いながら観てました。
・妹と再婚してるという事が火の娘の途中のセリフでわかり気持ち悪い家族やなぁと思いましたが、母さんとの再会についてラストまでなんのリアクションも示さない主人公の行動は異常で、自分の勘違い？と不安になりました。
・石を積んて世界を守ってるとかくだらなさすぎで、インコ大王がぶっ壊して少しスッキリしましたが何処の世界が滅んだのですか？インコとペリカンの世界？死者の世界？ 滅んでも良いかと思います。ただ、この辺は自分が理解出来てないだけで深い良いお話しなのでしょう。
・わらわらと云う丸っこいかわいいキャラがジブリパーク用？に出てきて、わらわらは生命の素のように描かれてますが、あの世界の上級国民であるインコ族になるのでしょうか? 人間になるのであれば、大叔父さんの世界崩壊により人間世界の崩壊を多少なりとも描く必要があったかと思いますが謎です。これも本当は良い話なのでしょうが...
・宮崎駿作品はラピュタとナウシカが未来少年コナンから繋がる冒険ファンタジーで好きなので、庵野と一緒にナウシカ2でもやって2人共引退していただければ助かります。（2人共に駄作でも皆んな観てしまうので。）
