このレビューはネタバレを含みます
観てきた感想。
宮崎監督の遺言だと思う。今まで作ってきた映画を集大成に詰めている。その映画には、世界の人々に向けての大きな意味を持たれている。
答えのない地図で自分はどうしたいか、火事をきっかけに家内事情から複雑な気持ちを抱えながらも、マヒト君は頭で良く考えて行動している。
いじめに遭い、わざと石で頭に殴り、親や家族の方々に迷惑を掛けないように自分を犠牲にして逞しく胸を張っている。
「支配構造」の世界に気付くか気付かないかが、
どうしても言いたかった作品の最後のメッセージだろうか。
今の現実世界を見てどう思うか「君たち」に問いかけている。僕は宮崎監督の意図がわかるが、
全く分からない人はその「意図」を知るには俯瞰的な情報量で必要。知るために2年以上、この世の様々な仕組みを一つ一つ丁寧に理解する必要がある。
何故なら難解な社会構造が二重も三重もあるから。
3年前から現在まで、政治や経済に触れて色んな方々の話を沢山聞いてその「社会構造」の仕組みがほぼ理解できた。
そのおかげで映画とは裏腹の仕組みがあるのを知っている。「支配」に気付いてない人に「忠告」を教えてあげたかったヒントが秘めている。
具体的には場面に出てきた色んな鳥がいるが、この場面には権力、上下関係が現れている。サギ、小鳥、ボス。
下層部の小鳥たちは今の社会構造に当てると、「小鳥」=「市民」=「奴隷者」の表現が描かれている。ちなみに強い者のコントロールに洗脳されて大人しく働かされている。また、マヒト君がいる世界でも貧富の差のようにお金持ちで高級車を乗れる人がいたり同じ構造が出来ている。
抽象的でアートが溢れるシーンに輪廻転生、神話、善悪、世界の均等(幾何図形の積み木)までちゃんと表現できている。
世界(ルール=秩序)を知っているじいさんに積み木をやらないかと促され、「美しい世界を創りたいか、醜い世界を創りたいか」マヒト君に質問されたが答えが「やらない!!」と。
つまり、自分で考えて生きる意思が強くある。
マヒト君は自頭自考で「支配構造」に振り回されない生き方を見つけている。
支配構造の中には人間を食べたいというシーン、あれは多分、人◯バイバイのことを言っているかもしれない。食べたいという対象者が子供。実際に起きている社会問題をメディアやマスコミ、セイフは隠して知らされていない。
そんな内容に「気付いてほしいところ」を教えてくれていると思う。
だから宮崎監督はそれが分かっててヒントを与える為に制作したと考えられる。今の時代の中、きっと何か助けたかった想いが込めている。
ファンタジーまじりで時空だったりアートだったり。不思議な生きものがめちゃ可愛かった。
世界に生きる人々の意思があるからこそ、今を生きるという応援のメッセージを贈ってもらったに間違いないと思う。
宮崎監督、大変お疲れ様でした。
楽しませてくれてホントにありがとうございました。