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君たちはどう生きるかのpiのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

特に早く観たいという気持ちはなかったものの、ネタバレされるよりはと思って公開2日目での鑑賞。

作画は圧倒的にすごいし、久石譲の劇伴音楽もいつも通りのハイクオリティだが、肝心のストーリーが”宮崎駿”を濃縮しすぎて理解を超えている。
過去作を意識した場面をあえて散りばめていたり、死にゆく大叔父がどう見ても監督自身だったりと、自身の命が長くないことを意識した総決算、もしくは自叙伝的な作品。
(「様々な世界で13個の綺麗な石を集めてきた」という大叔父の発言があったが、本作が13作目(多分)に監督した長編であることの比喩だろう)
しかし、彼の人生の深層を映し出しているであろう、メタファーっぽい様々なモチーフや出来事、脈絡に欠ける唐突な場面転換、ドラッギーな映像などを見ても、当然のことながら彼以外には理解できないのである…

大叔父が宮崎駿自身だとすると、跡を継がせようとしている主人公は誰がモチーフなんだろう。映画関係者だろうが、さすがに吾朗ではないだろうし、未来の映画界全体?『君たちはどう生きるか』というタイトルは、「俺はこう生きた。で、お前らはどうする?」という、挑発でもあり激励でもある。
アオサギは恐らく高畑勲だろうな。
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