なっちゃん

君たちはどう生きるかのなっちゃんのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
2.5
宮崎駿原作脚本監督のアリス・イン・ワンダーランド。
鑑賞後に残る感覚としては、ティム・バートン映画見たあとのそれに近い。宮崎駿の脳内を映像化してみたって感じ。
戦禍を背景として、イマジナリーフレンドの影響を受けながら主人公が成長していく作風を見て連想するのはギレルモ・デル・トロのパンズラビリンス。しかも母親が弟妹を妊娠しており、父親とはあまり心通っていないという点も似ている。どういう心理なのか、ぜひ対談してほしい…

主人公は軍需産業によって裕福家庭に育ったお坊ちゃん・眞人。
母親を失い、よく似た妹ナツコが継母になると言われ、あからさまに拒絶。
初対面の人力車でのシーンで、妊娠中であることを「私、とっても嬉しいの!」と表現したナツコに対し、なんともいえない眞人の表情が個人的にはトップで印象的だった。
そのシーンでのナツコの目もかなり強調されていたように思う。あとから振り返ると無理していたからこそ自分に言い聞かせる言い方だったんだろう。

そんな無理をしながらでも母親"役"をこなそうとするナツコの親切を汲み取ることも全くせず、眞人は愛情を試すように塔へのぼってみたり、怪我してみたり、部屋を抜け出したり…まさに子ども。実際子どもだからしょうがないんやけど。
メインテーマはそこから成長していこうっていう話やったんかなと思います。

それと平行して、世界を構築する"血筋"である主人公が、群がるインコ(観客)に襲われながら世界の構築(=創作)を終わらせるという話でもあった。
宮崎駿とジブリか?
と、思ってるけど、インコ=観客なら、インコがナツコに手を出せなかった理由がよくわからんのよな。
ワンダーランドと宮崎駿と創作ってキーワードの結びつけ方がまだピンときてない。
私たちインコに、はよパンフレット買わせてくれ…………

最後のアオサギの「あの世界のこと、まだ覚えてるのか?普通忘れるぞ」っていうの、まさに宮崎駿が言いたいことっぽかった。
映画見たあとにあーだこーだ言ってるんじゃないよということ?
と思いながら、こうやって宮崎駿をわかった気になってガタガタ言ってるのが、もう宮崎駿からはインコがギャーギャー言ってるように見えてるってことなんやろな。岡田斗司夫とかも筆頭に。ごめんな。

ストーリーとしては本当にわけがわからんけど、せっかくなので宮崎駿のことをもう少し理解してみたい。結論、全然わからん。遺作?
もう1回見れたらみる……かも。
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