このレビューはネタバレを含みます
2D/日本語
ジブリ弱者、最新作を観てみる。
実際に上映が始まってみてようやく「あ、本当に作ってたんだ」と信じられたほど事前情報がなかった今作。それこそが宣伝らしいが、公開週の日曜昼の回にしては埋まり具合が少し寂しかった。公開日を伝えるCMくらいは打ってもよかったのでは…?
スタジオジブリ作品をまともに見ずに育った僕でも、今作は「っぽさ」の詰め合わせのように感じた。"ベストアルバム的な最終作"自体は嫌いではないが、宮崎駿作品に全く思い入れがないどころか楽しみ方すら分かっていない僕からすると、今作特有の「色」が薄い印象でしかなかったかな。なんならとっ散らかった感すら。
そもそも、物語にエンジンがかかるのが遅く焦れったかった。「ほ〜ここから異世界に行って物語が始まr……ない!」みたいなとこ、何回かあったよね。どういう意図?
好みのポイントは、容赦なくキモい造形だった青鷺。公開前唯一の情報だったメインビジュアルを張っていたとは思えないほど、マジでキモい。イケメンでもかわいくもなく、生理的に嫌。インコ族もそうだけど、「鳥類独特の怖さ」がアニメーションで再現されすぎている。なのにいつのまにか愛おしくなっているバランス感覚は流石の手腕か。強キャラ台詞→小物ムーブのギャグはジブリっぽくないな(ごめん実際どうかは知らん)とは思いつつ、面白かった。あと、声優はいまだに信じられないですね。
まあ、映画としてのクオリティは次世代クリエイターの作品の方が圧倒的に上回ってるし、スタジオジブリ内に宮崎駿を継ぐ者はとうとう生まれなかった、ってことですかね。難解だったけど、それだけは伝わりました。お疲れ様でした。