君たちはどう生きるかのねこのネタバレレビュー・内容・結末

個人的な感想だけど、この作品は宮崎駿がジブリの集大成として作った映画なのかなと感じた。
沢山のジブリ名シーンのパロディに海・山・街並みの空想の世界を渡り歩く。これまでの軌跡を振り返って、最後にたどり着いた曽祖父さん。あれは宮崎駿自身なんじゃないだろうか？ジブリという空想の世界を作り上げて、後継者として実の息子(血のつながりのるもの)を選んだけれど、息子はそれを選ばず、自分の人生を生きていく。駿監督引退後はおそらくジブリは解体され、自らの作った王国は崩壊してしまう。
こんなんだったら、観客に感情のベクトルが向いてないのも納得するな。

映画的には、世界観の説明に尺を取りすぎて肝心な主題となる「不完全な世界の描写」があまりされてなかったなぁと思った。身勝手に引き入れた動物は特定外来生物みたいに住み着いちゃって、でもそもそも生物のサイクルが機能してないから誰も幸せになれない…ペリカンが地獄って言ってたけど結構な地獄だと思う。そこもっと掘り下げて、ラスト君の無垢な世界を作ってくれ…だったらもっとぐっときたかも。

所々に絵画とかのオマージュが見えたので多分色々暗喩見たいのはあるのだろうな。

でもあの宮崎駿監督が筆を持って、最後まで溢れる想像力を出力して見せてくれたのはとても嬉しいので満点です。本当に美術は凄かった。さすがジブリ。