そぼろ

君たちはどう生きるかのそぼろのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

手放しで「めちゃめちゃ面白かった❗️」とは言い難いけど、ジブリらしく、見た後に考察したり、感想を言い合ったり...
こんなに心に残る映画は久しぶりだなぁと。
早速、掬いきれなかった分も理解したくて原作本購入。
今回の映画のストーリーとは全く違う。
まだ読み始めたばかりだけど、いつ映画の内容と交わる部分が出てくるのか楽しみ。
吉野源三郎の書き口も柔らかくて心地よい。


さあ、宮崎駿版”君たちはどう生きるか”。
序盤の大火事のシーンから、何枚使ってるの⁉️っつうくらいぬるぬる動く、動く。
うわー、サクラ大戦3のOPが2時間続くの❓
激ヤバじゃん‼️

母親を亡くし、父と共に田舎へ疎開した眞人。
新しい母親として、母の妹にあたるナツコさんと対面する。父は到着早々、大きな荷物を預けそのまま仕事へ。
大変重そうな鞄をドサッと地面に置き、それをナツコさんが受けとり、そのままナツコさんが家まで運ぶ。
あの時代の、男性優位的な描写だなと感じた。
眞人も荷物があったし、子供には重いし、未だナツコさんに心を開いていなくて自分が持とうという気持ちになっていないのかもしれないけど。
女は3歩後ろを歩く、的な。

しかしながら、眞人の手を取って自分のお腹に手を当て「あなたの新しいお母さんよ、お腹に子供もいるのよ」って...
「なんだこいつ〜〜〜‼️」😇
ジョイマン並に心の中で叫んだ。笑
母親の妹が後妻って...時代的には一般的だったのかな❓
いやー...気持ち悪くて、
「嫌な女〜‼️」って思った。

開始から20分経過したくらいから、ジブリらしい展開に。
ティザーから唯一登場しているアオサギが、心象表現の賜物ではなく、不思議の国のアリスの兎的なキャラクターで、主人公を別の世界へ誘う案内人の役割りになっていく。
最初は、眞人自身の新しい環境への不安や悲哀が具現化したもの❓
幻のようなもの❓
リアリティ、ファンタジー、どっちに進むの〜って思ってたら、まあ冒険的な展開になり、ちょっとハウル感が出てきた。

一緒に見た人間と感想を言い合ってて、
なぜ眞人は自分の頭を石で殴ったのか、という問に対し、
私はいじめられたことを心配されたくなくて、自分が転んだことにしたのかと思ってたけど、相手は、逆に自分に関心を引くために大きな怪我をしたんじゃないかと言っていて、
なるほどと思った。
後半で、「これは僕の悪意だ」って言ってたし一理あるかもしれない。

あのときナツコさんが眞人の怪我を見て
「私のせいだ」と泣いたのは、眞人を新しい環境に置いてしまったせいでこんなことになったという、自責の念から来たものだったのかな。
私は自己陶酔じゃないかと感じたので、だいぶナツコさんを歪んだ目で見ていたなと。

後半の産屋で眞人を突き放したのも、眞人のためだったのかな。
ナツコさんだって、自分の姉を亡くしていて辛いはずだもんな...


ヒミちゃんとの出会いはバック・トゥ・ザ・フューチャーだったけど、あんなにヒロインヒロインさせなくてもいいんじゃない❓って思った。
やっぱりあの年代の女の子は必ず出したいのかな。個人的にはあいみょんの声が違和感しかなくて辛かった。
歌ってる時のカッコイイあいみょんが好きだから、あんなに声の高いキャラクターで標準語だし、あいみょんじゃなくていいやんって思った。菅田くんもあんなハゲ親父のキャラじゃなくてもええやんって思った笑

今回キャラデザが全体的に微妙に感じたんだけど、宮崎駿が描いてるのかな❓
ワラワラなんて無料スタンプ見たいな絵だし、インコ可愛くないし、アオサギがなんでハゲ親父なのかよくわからんかった。
大叔父の積み木のくだりも私の思考回路では理解しきれなかったので、早くパンフ欲しいし、もっと感想大会したいし、考察聞きたい。
何より早く原作読み終えたいので頑張る...‼️


全く宣伝が無い、って言うのが今回のセールスポイントでもあるけど、確かにCM作るとして何処を切り取るとか、あらすじの説明どうするとか、難しいもんな。
「みんな忘れちまうんだ」ってアオサギが言ってたけど、大人になるとトトロが見えなくなるようなものかな。
最後、東京へ帰るというシーンでも、アオサギがチラッと見えるわけでもなくスパッと暗転したので現実に引き戻された感があった。

ヒミちゃんとそれぞれの扉を開ける時に、
「火事で死んじゃうよ」と眞人は言うんだけど、「眞人を産めるなんて素晴らしいことだ」って結局同じ扉を選ぶ。
いやぁ、泣けたなあ...
あそこで「よし、運命を変えるぞ‼️」ってタイムリープしなくて良かったよ😇

あと、キリコさんも私が語れるほど理解が追いついてない。
タバコはもう少し印象的に使われるかと思ったけど関係ないのかな。
おばあちゃん達がみんなデフォルメされすぎてて、それも前半困った理由。
ファンタジーで行くのかリアリティで行くのか分からなかったから。
キリコさんのとこでお人形になってて、1発でおばあちゃん達だ❗️って分かるように印象的なデザインにしただけなのかな。

お父さんは悪い人じゃないけど、ハイソであの時代の男性らしさを持ち合わせていた記号的なキャラクターだった。
でも、キムタクの声はやっぱりええなぁ。
ハウルまた見たくなってきた。


ワラワラ達が飛んでいく描写が、受精を表しているのは何となく分かるけど、ペリカンがワラワラたちを食べてしまうのがわからん。
ペリカンはキリスト教だと愛の象徴らしいけど、この映画ではなにを表していたのか。


眞人が竹から弓を作って、アオサギの羽から矢を作るシーンは宮崎駿らしいなあって面白かった。
今回は宣伝もなかったためか、探りながらの鑑賞になったし、大衆向けのエンタメ映画ではなく、本当に”宮崎駿が最後に作りたかったもの”、利己的な雰囲気はあったかな。
やっぱり風立ちぬが大好きだなー

眞人が怪我をしてから、不死川玄弥みたいになるの可愛いよっ❗️
そぼろ

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