甲冑

君たちはどう生きるかの甲冑のレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
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母親を美しい、恋しいと思えるというのはある種特権的な話で、自分の田舎の庶民おかん達にはそういう要素は皆無なのでちと理解が難しい。ましてや若く美化して会いたいとかほう…という感じである。そんなどこかタルコフスキー的なマザーコンプレックス(『鏡』っぽくもある)をホドロフスキー的なマジックリアリズムで見せられる。戦時中の日本の少年はなぜに西洋の異世界に行くのか。『風立ちぬ』の堀辰雄とトーマス・マン「魔の山」がそうであるように今回は吉野源三郎とジョン・コナリー「失われたものたちの本」がマッシュアップされる(どっちも読んどらんが)。他にも色々あると思うけど、そうしたコアになっている海外作品とアニメーション人生がごった煮になっておりこの抽象度の高さはある意味では到達点と言えるのかも知れないがメタファーを読み取るのは庶民にゃ骨が折れる。その面倒臭さがらしいというか高畑遺作との違い。権威は下ろされるという事にも自覚的。
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