宮崎駿の宮崎駿らしさを全身に受け止めた。
十八番のスピード描写、群れる様、翼やソファのツヤ、可愛いヒロイン、月、星空、植物、内装、丸みを帯びた息を呑むような美しい景色…etc
10年間見たくて仕方なかった宮崎駿を新作で見れた。それが何よりも嬉しかった。
演出も過去作を意識したであろう演出が続出、集大成を肌に感じさせる物であった。
一方で、演出に多少ムラがあったようにも感じられ、見知ってる宮崎駿らしさに知らない顔がたまに覗き込んでくるような印象を受けた。
ストーリーはもう一度見たくなる難解さと、もう一度感じたくなる晴れやかさを持った物であった。ただ、これまでの作品とはかけ離れた内容で、意図的に解説が抜かれた部分(それが作品の大部分)ばかり目に入りイマイチ乗り切れず、望んだジブリなのかと言われると頭を傾げる内容。エンタメとして考えても認めづらい内容で、意図的に盛り上がりを嫌ってるような展開もあり、面白いとは言いづらかった。
それにつけてもヒロインの描写が本当に可愛いらしく、これこそやはり宮崎駿だなぁと感じた。