福島陽

君たちはどう生きるかの福島陽のネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

まとまらないので箇条書き

◉確かに最後の宮崎駿作品なんだと思った。

◉意図的なオマージュもあると思う。
ハウルの夜空、千と千尋の廊下、トトロのトンネル。
でもそれ以上に新しい表現ができない、もう描ききったから既に出したカードで作らざるを得ないのかなと勝手に感じた。

◉物語というより、脳内を覗き見したような、現象の連続を見させられた気分になった。描写力、絵力は半端なく、それだけで惹き込める、それがすごい。


この話をどう捉えるかは色々あるし、正解がないんだろうけど
私は希望というより絶望。
でも死ぬことより生きる、産まれること。
を感じた

物語として1番近いのは星の王子さまだと思う。

ジブリは、幻想の世界(ラピュタとか、ナウシカとか)、幻想と現実の世界の行き来(千と千尋、猫の恩返し)、現実の世界(コクリコ坂、風立ちぬ)の3種類で描かれるが今回は2個目。現実と幻想が境目なく入り混じり、その中で現実を選ぶ主人公。

これまでと違うのはその幻想の世界の創造主、いわば神様みたいなのがちゃんと存在してること。だからおじいちゃんを宮崎駿だ!という説があがるのはまあ確かにそうともいえるなと思った。

タイトルにあるような、君たち=私たちは少なくとも登場人物のような神の血筋ではなく、インコであり、戦争で逃げ惑う顔のない人たちだ。
上の世界と下の世界を選べるわけでもない。
天国とされてる場所も悪意がある脆い場所らしい。

この作品は、背中を押してくれるわけでも、生き方を肯定してくれるわけでもない、宮崎駿がただ産まれるとは、死ぬとは、を現象的に切り取ってくれただけだ。
さて、私はどう生きようか。
福島陽

福島陽