このレビューはネタバレを含みます
せっかく予告や前情報いっさいなし！で公開されている映画なので、初見の興奮を大事にしたく。
ネタバレに遭う前にいざ！
ってめちゃくちゃ慎重にネタバレ避けてたのに、上映終わりの男子大学生ぽい2人が
「あのラストってさ〜結局現世に戻れなかったってこと？」って話してて…
いきなりオチ聞いちゃって灰になりかけました
（上映終わりにおしゃべりしちゃうのは当然なので出口付近にいた私の自業自得であり、結果的には心配無用の情報だったけど…）
宮崎駿作品では、
ラピュタがぶっちぎりの1位に君臨していて、
あとは社会メッセージ系を詰め込みまくったハウルが好きなので、
今回の作品もハウル同様いろいろ示唆に富んでて好みでした。結構刺さる台詞もあったり、最後はホロリしたり。
個人的な解釈としては…
人は1度は、“悪意のない世界”があれば、みんなどれだけ幸せだろうって想像するかもしれない。
けど、そんなものは奇跡に近くて、
結局は、知恵を絞って、悪意にまみれた世界を生きていかないといけないし、そのための力をつけるしかない。
そして実は、“悪意”のある行為というのは、すべてがすべて、相手を貶めたいという気持ちから生まれているのでなく、
生きるために（自分を守るために）必死で考えた知恵の一つなのかもしれない。
みたいなことを感じました。
眞人が自分で傷を作った理由。これは最後に自分で、「悪意」があったと明かしてて。
自分の父の性格を知っていて、同級生たちを懲らしめてやるという悪知恵が覗く感じが、今までの宮崎先生の作品の主人公キャラにはあんまりいない印象があって、今風の少年というのか？
母親を助けるためにすぐ駆け出せるまっすぐな熱血漢気味なとこもあるかと思えば、未熟さ、一歩間違えば道を踏み間違えそうな危うさもあって、面白い主人公だなあと思いました。
1番好きだったのは、キリコばあちゃん！
最初にみんなで食事をしたときから、ご飯に文句言う眞人に対して正直に「この生意気なガキが」みたいな態度を出してて、そこがすごく好き。
でも眞人も腫れ物みたいに扱われるより、そこに好感持ってたのかな〜みたいな感じだったので
2人で塔の世界に吸い込まれたときは、めちゃくちゃ面白い展開だと脳内ガッツポーズ出ました。
キリコずっと格好良かった。
それで、夏子さんが眞人に「大嫌い」というのも、とても重要なエピソードで。ここで眞人が、自分が壁や殻を作ってたことに気付いて。それが「なんとなくとっつきにくい母親、受け入れたくない人」と思ってしまう状況を自分で作ってたんだと。それを砕いて、寄りそっていくところ、とても良いです。
この“大嫌い”は、悪意のある大嫌いじゃないってことに気付けるかどうかって大事だな〜って。
なんでも表面的な言葉尻で受け取るんじゃないと。
なんとなく、SNSリンチとかで苦しんでる若い人に向けての、メッセージもあるんかなぁと。
考えすぎ？
キムタク演じる父親は、なかなか受け入れがたい人格だったなぁ〜でも根が悪い人ってわけじゃないけど、なんかキツい。
友人から聞いて後で知ったけど、宮崎駿先生のお父上は、軍事工場（厳密には祖父が経営する航空機製作会社の役員）で働いててお金持ちだったんだとか。宮崎監督の、父親へのとっつきにくさ？どこか距離がある感じも表れてたんですかね〜
宮崎先生の脳内を覗けた感じの映画でした。こんな感じで、エピソードの種がいっぱいふわふわ浮いてるんだろなぁ
狂気とかわいさが共存してるインコも最高でした。
とりあえず、映画観た後の晩ご飯はビーフシチューにしました＾＾
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前回の投稿から2年空いててびっくり…
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