駿さんは今際の際なの?
映画館を出てきてすぐの感想は「これ『ジブリ美術館』じゃん」だったし、「宮崎駿のエンドロール」を観ているような体験だったんだけど。
「今までさんざん描いてきましたから」みたいな。
とにかく、ただただ、ジブリだったよ。
なんていうかすごく個人的な作品だった。
映画作品としてどうかって言われたらいまひとつかもと思うけど、宮崎駿作品としては劇場で観てよかったな、と思った。
風の描き方がいつもながら素晴らしいと思う。
なぜ、二次元の、それも目に見えない 風 というものに「肌ざわり」を感じるのだろうか。本当に素敵だー。
身構えていたほど説教くさくなくて安心した。
私見として、宮崎駿さんは『血が通い呼吸をしている「いのち」としての自覚と絶望があるから、創造というものに責任を持っているひと』と思うのだけど、その矜持を、誰かにそのまま渡そうとしてたのかもしれないな。
私も、ジブリで描かれるような少年少女でありたい。そして、ある日突然、ジブリで描かれるような婆さんになっていたい。
インコとして描かれる生きようは、したくないな。
せめて人間がよいわ。
追記:
2回目も観た。より雑念なく、宮崎駿のアニメーションを味わえてよかった。
創作で語ってきた人だもの。私みたいな他人の言葉にして解釈するのもなんか野暮だわ。