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君たちはどう生きるかのfuのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

・いくつもの次元

「死後かつ生まれる前の世界」

ー墓
眞人が下の世界に迷い込んだ直後、門で閉ざされた墓に直面する。その黄金の門には「我を学ぶものは死す」と書かれてある。眞人は開ける意思は無かったが、背後にいたペリカンの群れが「開けてくれ」と眞人を力ずくで押し、門を開けてしまう。それを見つけた若いキリコがペリカンを追い払い、呪文を唱えて「後ろを振り向くな」と眞人をその場から退避させる。その後墓は出てこないが、一体誰の墓なのか。私は、この世を生きるために、知ってはならない、知ると生きることのできない、秩序のような、神のような。人間の一番底にあるあまりにも重大な何かだと考える。もしくは、大叔父なのか。。。?

ーわらわら
白くて丸いキュートなわらわらという生き物は、熟すと膨らんで空高く舞い上がっていく。これは、人が死に、生まれ変わるまでの姿であり、つまり魂であると考えられる。船を漕いでいた黒い人型の何かも、もしかしたら、わらわらになる前段階で、死んでから間もない魂の姿なのではないだろうか。

ーお婆ちゃんたち
引っ越したお屋敷にいたお婆ちゃんたち👵🏻きっとお婆ちゃんたちは、下の世界に何があるかを知っていたのでは無いだろうか。「このお屋敷はよく不思議なことが起こりますから」と、冷静に対処していたし、キリコさんが下の世界で導き手となっていたことからもそう考えられる。あちらの世界を知っているから、現実世界から守っていた。?

〜殺戮インコによる支配社会
狂気的にも見えるインコは、この混沌と殺伐とした人間社会を描いていると感じました。1人が権力を持つ社会は、決して調和は得られないのだと、インコの王様が欲と勢いで積み木を積み上げるシーンで表現されていた。ドキッとさせられる描写。

〜時間を繋ぐ扉🚪
非常に考えさせられる部分ですね。
生きる場所は、実は選べるものであり、それでも私は、この場所でこの時間を生きることを、選んだのだよ。と、そういうことを意識させてくれる。深すぎて信じがたい真実。

〜大叔父

・跡を継ぐもの
宮崎駿監督の後継者問題と重なっている。

・どう生きるかの問い
結局この映画は、「君たちはどう生きるのか」と問うている。生きる場所、誰と生きるか、自分の人生は必ず自分で選んでいくものであるのだから、何を選んで生きていくのか?これからの世界をどんなものにしていくかは、君たちの選択次第だとも問われた気がした。


溢れるメッセージとジブリ節に圧倒させられ続けた。前情報なしという違う角度からのインパクトも相まって、見応えのある作品でした。もう一度観たい。!!!
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