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君たちはどう生きるかのKasaのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

個人的には大好きな作品だった。

確かに抽象的な表現も多いけど、これまでの駿作品のテーマを念頭におけば、決して理解が追いつかないような映画ではない。

曖昧な存在への畏怖、女性への憧れ、少年が青年になるための通過儀礼、科学技術への疑問などなど、これまでのジブリ作品と共通するテーマがたくさん登場した。
真人がそうであったように、宮崎駿もまた、自分のなかの宇宙と物語を育てることで、混沌とした現実世界との折り合いをつけてきたのかな。

全てを理解した気になっている現代人への皮肉がたくさん込められていたので、レビューを書きすぎないようにする(本当は一万字ぐらい書きたい気分)。言葉にしなくても、本能で感じられることはたくさんあると思うし。

結局伝えたかったのは、この世を生きることへの前向きなエールだと思う。
命を燃やすことの大変さと美しさを、身をもって証明してくれる作品。

「どう生きるか」ってことは「どう死ぬか」ってことともイコールになる。80歳を過ぎたから作れた作品なんだろうな。
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