まさ

君たちはどう生きるかのまさのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.3
スタートの火事や、田舎に暮らし始めてから描かれる木々の緑や川の水面、夕暮れのマジックアワーの繊細なタッチに流石お見事と言わざるを得ない。ただ映像は素晴らしいが、内容はほぼ無い。何となく主人公に無理矢理人を探す動機を与え、後はファンタジーを描きたいから冒険させる。また、ハウルの動く城の丘の草原&年取ったソフィー(→大叔父)、城壁に這う蔦を登るランニング姿のパズー(→主人公&アオサギ)、バルスを言う前の抱き合うパズー&シータ(→主人公と若かりし頃の母親)、紅の豚の庭の白い建物でポルコを待つジーナ(→大叔父)と既視感のある場面ばかり。良く言えば「宮崎駿ヒット作のダイジェスト」、正直に言うと「記憶が曖昧になった宮崎駿の走馬灯」を見せられている感じ。最後の作品だけに好きな様にやり切ったのだろうが、観た後に「あの場面はどの作品と同じだったかな?」って答え合わせしないとモヤモヤが残る作品となった。
まさ

まさ