このレビューはネタバレを含みます
火は好きだ
いやー感想難しいタイプの映画だったけど純粋にファンタジーとしてはとっても好みで面白くてパヤオ本当にありがとう。。
雰囲気だけでいえば、
パンズ・ラビリンス始まったと思って半ばまで苦しんでみてたんだけど、途中からナルニア国物語に路線変更してくれて良かったーみたいな。そんな感じて流れてた。
映像とか演出(あと声優さん)はこれまでのジブリのシーン詰め合わせって感じ。見ててどこか懐かしさ。
戦時下、火事で母親を無くした真人。
父が再婚したのは母の妹でもうお腹に赤子が居るらしい。
田舎の屋敷に父と共に引越したが、その敷地内には立ち入りを禁じられた不思議な塔。
母は生きていると惑わす青鷺。
塔に招かれた”父の好きな人”継母を探すために塔に入る。
現実側の視点では
大好きなお母さんを失ってトラウマを抱えて生きる少年
東京から田舎の不気味な屋敷に連れてこられて環境にとけ込めない、溶け込みたくない
忘れられないお母さんを忘れて好きな人がいるお父さんが好きだけど嫌い
お父さんの好きな人は悪い人じゃないのに好きになれない
かまって欲しくて学校になんか行きたくなくて心に芽生えた悪い気持ち
よくある、ありがちで、よく描かれがちな葛藤
幻想側
過去も未来も全てが繋がる場所
ママの1年と僕らの数日が交わる場所
大叔父様の描く世界
均衡が取れた地獄
現実の事を燃える死のある世界みたいなこと言ってた彼が傾倒して作り上げた場所なんだから、きっと楽園的な、理想郷的な場所を作りたかったと思うんだけど、けっきょくそれも勝手なエゴで、連れてきた鳥たちは食べるものに困って飛び続けて、インコは増え続けて自由を求める
彼にとっての均衡は誰かの地獄になる
そんな壮大なことが言いたかったのかは知りません(笑)。が、
真人さんは幻想を通じて継母と家族になり、母のトラウマを超えて、苦手なおばあさん達に守られてることを知り、自分と向き合って生きる事を知る
絵に書いたような成長要素詰め合わせ。
清々しいほどに気持ちいい物語構成ファンタジーだったなぁと。
結局、均衡の世界を壊したのも、世界の住人である王で、真人じゃなかった。崩壊は内側から。
受け継いで欲しかった大叔父と、受け継がないことを選択した真人。
墓に使われるような石でできた冷たい均衡は本当の温かさを知らないし、純粋な石で積むのは本当に純粋な人でなくては意味が無い。
(主張強いね、、そうだね、、、理想的な世界は結局理想の中でしかありえないんだよね、、ね?
鳥好きで鳥と暮らす私としてもたくさん可愛い鳥が見れて良かったです。
ただあれセキセイインコじゃなくてコザクラとかサザナミインコじゃん??
わらわらかわいかったな。
飛び方がデオキシリボ核酸だったけど(笑)
もっともっといろんな要素があったんだろうけど最初じゃわからなかったな。
また見て考えたい映画でした。