このレビューはネタバレを含みます
初見の備忘録。
おそらく【となりのトトロ】宮崎駿版。
他にも監督作で描けなかったモチーフの焼き直し、また映画的修正前の源泉のままのセルフオマージュあり。
【ネタバレ】
まず、キッカケとしては。
叔母・夏子が、
疎開してきた眞人がベッドで母を失ったトラウマからみる夢を見て寝ながら涙する姿をみた、
彼女の表情を読み解くところから。
この凄く読みづらい表情の演技をどう見るかで、この物語の探求が変わっていくと思う。
なぜ、自分がトトロをベースにしたと取ったかというと、
◎同時期(場所によっては同時上映)の【火垂るの墓】(高畑勲監督)を強烈に意識したのではと直感的に思ったこと。
(戦争に関する描き方、家族愛の在り方)
◎さつきとメイの総和が、眞人に見えたこと。(状況を我慢し馴染もうとする姉と素朴な妹)
(真人の変化:世間との関わりを遠ざける姿→内なる悪意の認識と他人への理解)【君どう】を読み変わる
◎ヒミ・夏子姉妹が、時空超えの※サグとナユグとの往来が可能(作法を知っている)であることと。
(さつきメイが塚森のもう一つの世界とつながれたこと)
ここから、ファンタジー妄想私見ですw
▲ヒミ・夏子(もしくは母系直系)は、巫女的素養を持っていて(魔封じの鏑矢使いだったり)あの世と干渉が容易な一族。
城に住むおばあさんたちも(遠い親族で、俗には交わっているが各位性格も違うが比較的悪意を持たない存在)
▲大叔父は外戚であるが、当時、この世側で相当の力を持った人物で、あの世に魅力的感じ取り込まれた人物
(現世に戻らなかったのは自発的なのか戻ることが出来なかったのかは謎?)
▲眞人の父は、同じく相当の力を持って悪意をも取り込みながら生活を構築できる人物で、
眞人自身は、その悪意と同居する生き方(を継承するも知れない将来)の嫌気に気づいてしまう。
▲ふたりの母への思いと、変わりたい自分を求め、劇中2時間の間に、恐ろしく成長する眞人だが、
夏子を連れて帰る目的が、人を傷つけてしまった後悔なのか、母との決別なのか、それが正しい願いなのか?
(ここまで夏子目線)
そのうじうじした眞人が悩みと向き合っていく姿が切ないお話だった。
【地球儀 / 米津玄師】 のサビのあとに、椅子が軋むような音がサンプリングされているのだが、
この音が、地球儀を回す眞人の後悔でないことを祈る限りだ。
いや、この作品を描いているナマの【宮﨑駿】の作業椅子の音なのかもしれない。