さら小僧

君たちはどう生きるかのさら小僧のレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.5
子育てをしていると
子供がありえない空想を
あたかも見てきたかのように
具体的に話してくることがある。
そこに辻褄はなく、突拍子もないこと
ばかり。

絵本でいうところの
おしいれのぼうけん
かいじゅうたちのいるところ
のような
子供の試練と冒険。

子供のリアルと夢の間にある
空想の世界の出来事なので
本人以外は
辻褄など見つける事はできなくてよい

大人が考えてしまうほど
哲学的な伏線や繋がりはほとんどなくて

少年の中の不完全な知識と
成長期の果てなき想像力が生んだ、
一度しか見られない
世界なんだと思う。

いつもの子供の空想と違うのは
少年の母ヒミが子供の頃に抱いていた
空想世界と
眞人少年の空想世界が時空をこえて
繋がった奇跡。
これは事実だと信じたい。

上記は個人的な見解で、
結局は
分かったつもりにさせてくれない

自分の心の中で湧き上がったこと
を受け止めればいい という
濃密な体験でした。

そして、大人なんかいなくても
子供は自分の力で、困難を乗り越えられる
という、宮崎監督らしい展開にも心打たれました。

君たちはどう生きるか
は、試練はなんどきも訪れるが
自分の中のこころを冒険すれば
きっと何か見つけられる

子供の頃にはその強さがあったのを
忘れてしまったのか?

という宮崎監督の大人への
メッセージとして受け取りました。
さら小僧

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