林檎

君たちはどう生きるかの林檎のネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

現代は否応なしに届く大量の情報によって疑似体験はたまた印象操作されたような模擬体験の後にリアルな実体験を行うことが増えた。その中でここまで非公開を貫くスタジオジブリに感動!一切の情報を遮断し鑑賞しました。
結果、冒頭の階段を駆け上がるシーンだけで
自分の体に湧いた“体験の純粋さ”に涙が出そうになった。

鑑賞後は整理が追いつかず、駿さんが伝えたい些細な事柄も見落としたくないと一生懸命に作品を振り返った。正直1度ですんなり理解できたことは少なかった気がする。でも私だけの独自の感性で噛みしめて味わって「どう生きるのか」を考えたらいいんだろうなと、それを駿さんも求めているような気がした。
きっと制作側の意図が正解ではなく鑑賞者の感じ方でよい、だから私は解説考察は読まずまず書き留める。

「受け止めきれない・理解ができない事実も
大切なだれかと共に生きていくことで進んでいける」
そんなありふれた言葉がもつ真実を疑わず
明日も楽しみ生きたいと鑑賞日の夜ベッドの上で思って寝た。

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ネタバレ⚠印象に残っているシーン

・なかなか喋らない眞人…青鷺との接触から言葉を発する
・眞人が石で頭をぶつ…自傷行為は学校から逃げる口実なのかな
・やたら多いアップアングル…紅をひくナツコの自信に満ちた表情が印象的
・キリコ…まるでもののけ姫のエボシのよう、1番謎が多い存在
・鳥が世界の中心…ペリカンも存続のためワラワラを食す、立場が違うだけで目的は同じ/飛ぶ鳥を先祖と呼ぶインコ、進化の先が大叔父の作った世界
・階段を登って始まり、下って終わる

母からの贈り物の本で大粒の涙を流す眞人。生きていくことが嫌になっていたのかな、そして本の中に優しさや救いがあったんじゃないかな。眞人の部屋のシーンがなぜか好きだな。

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原作「君たちはどう生きるか」を再読
世間の目ではなく自分の魂で知ること。

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23.07.28 2度めの再鑑賞

前回より一層楽しめた。初見はきっと頭を巡らしていたのかな。
駿さんが創るファンタジーに純粋にワクワクしたし、言葉の持つ意味・力がじんわりながら伝わってきた。やっぱりジブリ映画は最高だ。

・眞人の心臓を食べようとしていた青鷺と敵同士の関係から友情へ変化
・「悪意」のある石、傷跡
・やっぱり手塚治虫の「火の鳥」を思い出す…利己的な人中心の世界を鳥中心として皮肉に描いた世界なのかな
・前半は特に父もナツコも勝手な人のように映った
・改めてジブリ作品はプラスチックみたいなものじゃなく自然素材溢れる世界だなと気づいた

たくさんの場面展開があるからこそすんなりは把握できない。疑問が残ったり違和感があったりもするかも。それって実はとても大事でそこを深く考えたり、違いがあることを受け入れ面白がれたら幸せなことだと思う!死を覚悟したペリカン、忘れられん。
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