このレビューはネタバレを含みます
宮崎駿-の/という-悪夢
老齢を過ぎようとしている作家の作品に集大成を見ようとするのは、観客として当然のことだが、それにかまけ、今まで現れていなかったものを見逃すことがないようにしたい。
例えば、嫌悪感を伴う性との出会いとか、7人の小人ならぬ7人の老婆、アリスよろしく久子が着込むエプロンドレス等のあからさまなまでの西洋寓話の参照、そしてこれまたあからさまな、背景としての西洋絵画の採用。
つまり、これらは、これが最後とばかりに宮崎が全ての引出しを手当たり次第に開け放った結果ではないのか。
その切実さに、物語の締めくくりと相まって、ジジイ、早すぎるだろう…と呟かざるを得ない。